2002年7月25日(木)「しんぶん赤旗」
参院厚生労働委員会で審議されている医療改悪法案を政府・自公保が二十五日にも採決強行を狙うという緊迫した事態のもと、二十四日、各地の民主医療機関連合会を中心に百数十人が国会につめかけ、座り込み行動や、与野党の厚生労働委員への要請など、必ず廃案にと、炎天下の行動を繰り広げました。
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「毎日注射や温熱療法のために足をひきずりながらやってくるお年寄りが何人もいます。その人が『負担があがるんだろ』と寂しそうにいったので、『何とかしなきゃ』と、国会に初めてきました」というのは、東京・江東区扇橋診療所で事務二年目の近藤唯宇さん(25)。大型バスで次々と国会見学に訪れる人々に玉のような汗を流しながら改悪反対のリーフレットを配りつづけていました。
東京・渋谷区の歯科衛生士の菊池陽子さん(24)は「リストラされた会社員は治療費と治療時間の心配をしています。仕事探しで長くは通院できないというのです。小泉内閣は弱い人のことはまったく考えていない。会社員はリストラでいじめられ、病気になると負担増でまた苦しめられる。廃案にするまでたたかいます」。こう語ると、議員要請へと向かいました。
埼玉・川口市からきた早船寿美子さん(65)は「国会議員は国民のためにすることをするのが仕事なのに、与党がやっているのは、国民いじめばかり。年金生活で苦労している人もたくさんいる。さらに医療費値上げとは、国民の命をなんと思っているのか」と、与党に怒りをぶつけていました。
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日本共産党の志位和夫委員長は二十四日、国会内で定例記者会見し、政府・与党が二十五日にも参院厚生労働委員会で医療改悪法案を採決強行しようとしている事態について、「四つの重大法案のなかでも、一番国民の怒りと批判が強い法案だということを、政府・与党は真摯(しんし)に受け止めるべきだ」と強調し、中央公聴会の開催を強く求めるとともに、採決強行にきびしく反対する立場を表明しました。
志位氏は、どの世論調査でも医療改悪法案に国民の六割が反対し、法案の参考人質疑では与党推薦も含めて、参考人六人中四人が法案に「反対」を表明したと指摘。「立場の違いを超え、これまでにない幅広い人たちが、この不景気にぎりぎりの生活で苦しんでいるときに、一兆五千億円もの負担増をかぶせるのはとうていがまんならない、と声をあげている」と述べました。
その国民の声をきくうえで、野党が要求している中央公聴会開催は最小限のものだと強調。公聴会は国会法第五一条で「総予算及び重要な歳入法案については…開かなければならない」と定めており、今回の医療改悪法案は、国民に負担増を強いるもので、歳入法案に準ずるものだと指摘しました。
志位氏は、「歳入法案に準ずるものは慣例上、これまでも公聴会が開かれてきた。国民に負担を強いるときには公聴会を開くという、国会のルールを無視して法案を強行するなどとんでもない。そんな暴挙に出れば、政府・与党は国民の批判の声を聞くことすらしなかったという、たいへんな汚点を重ね、いよいよ国民から指弾されることは避けがたい」と厳しく指摘しました。