2002年7月13日(土)「しんぶん赤旗」
侵略戦争賛美の中学歴史教科書の採択をめざす「新しい歴史教科書をつくる会」が、同会主導の『新しい歴史教科書』(扶桑社発行)を、来年開設予定の愛媛県立中高一貫校で採択するよう、活発に動いています。愛媛・教育と子どもを守る会(澤田充明会長)や愛媛県教職員組合など広範な労組・民主団体はこれに強く反対し、憲法と教育基本法にもとづく教科書採択を求めています。
県立中高一貫校(各百六十人)は来年四月に松山、今治、宇和島の各市に開校されます。「つくる会」は、署名や講演会にとりくみ、愛媛新聞(六月二十七日付)には「最良の歴史教科書を愛媛に!」と題する全面意見広告を出しました。
加戸守行知事も「歴史教科書採択が県政の最大の課題。昨年県教委が『つくる会』主導の教科書を採択したことは正しかった」などと発言。「つくる会」教科書の採択へ露骨な支援をしています。昨年障害児学校の一部で「つくる会」教科書の採択にかかわった県教育委員六人のうち五人が同じメンバー。八月上旬までに採択する予定です。
民主団体、労組は二十六日午後六時から松山市内の松山城で「戦争賛美の『つくる会』教科書採択NO!大集会」を開きます。
昨年、『新しい歴史教科書』が採択されたのは、東京都立と愛媛県立の障害児学校の一部だけでした。
子どもと教科書全国ネット21の俵義文事務局長の話 これは愛媛だけの問題ではない。中高一貫校で採択させると公立中学校では初めての「つくる会」教科書の採択となる。「つくる会」はこれを突破口に三年後の愛媛の公立中学校での採択、全国的な波及効果を狙っている。事態は緊迫している。二十六日の集会を成功させ、運動をひろげ、昨年公立中学校で「つくる会」教科書を採択させなかった力で採択を阻止したい。