2002年7月11日(木)「しんぶん赤旗」
「私が野党だったら、ここで予算委員会を止めまっせ。ただ私は与党だから、財政が非常に厳しいことも承知しているし、打ち出の小槌がないことも承知している」。十日の参院予算委員会で、いったんはこぶしをふり上げた公明党の草川昭三副代表が与党としての“物分かりのよさ”をみせました。
草川氏は、二〇〇一年度一般会計予算が四年ぶりの歳入欠陥となることが確実になっているにもかかわらず、「(財務省の)実績評価書は“歳入はほぼ達成した”と書いている。だれが見たっておかしい」と質問しました。
塩川正十郎財務相はこれに答え、「確かに素人が見ればおかしい。玄人がみたらうまいこと操作しているなということだ」と言い、「歳入欠陥よりも税収欠陥に重点を置いてもらった方がわかりやすい」という始末。不況、リストラ、所得の落ち込みで歳入欠陥をもたらした当事者としての反省のかけらもありませんでした。
冒頭の草川氏の発言はここで出ました。「国民をバカにしてると思う」とまでいってみたものの、すぐ政府に代わって歳入不足の説明を展開。これにうなずいた塩川財務相に、「わかるならそういう答弁をしてくださいよ。そうすれば国民も歳入欠陥があったのか、だけども行政評価ではほぼ達成できたと了解しましょうとなる」と促しました。
批判の矛先をすんなり収めたと思ったら、国民説得の方法まで指南する――与党・公明党の実態をさらした一幕でした。(柳)