2002年7月10日(水)「しんぶん赤旗」
質問する大門実紀史議員=9日、参院厚生労働委 |
日本共産党の大門実紀史議員は九日の参院厚生労働委員会で、医療改悪法案について、政府管掌健保の保険料の試算にまったく根拠のないことを明らかにしました。「展望のない『収支見通し』を出して国民には『とりあえず負担だけお願いします』という虫のいい話があるか」と、法案の撤回を求めました。
厚労省は、おもに中小企業の労働者が加入する政府管掌健康保険(政管健保)について保険料値上げで五年間、財政が安定化するとしています。この試算の前提として、賃金が年1%ずつ上昇すると見込み、それにもとづいて保険料収入を試算しています。
大門氏は、過去の政管健保の実績をみると、賃金の伸びは年0・54%と半分にしかならないことを示し、これを二倍の1%で見こんでいるとすれば「収入の水増しではないか」と指摘。実績をあてはめれば五年間で約四千六百億円の減収になるという独自の試算を示しました。厚労省の大塚義治保険局長は、まともに説明することができず、「総合的に判断した」などと弁解に終始。「見通しどおり賃金があがらず、減収になったらどうするのか」とただした大門氏にたいし、大塚局長は「歳入不足があれば、まず保険料というのが選択肢」と答弁。政府がいま示している保険料引き上げにとどまらないことが浮かび上がりました。
大門氏は、「国庫負担を減らして財政危機を招いたのだから国庫負担を戻して解決を」と迫りました。