2002年7月9日(火)「しんぶん赤旗」
日本のマスコミは皇室に対して、記者会見ではまともに質問をせず、記者会見はかなり制限されたまま―。米紙ニューヨーク・タイムズが、日本のマスコミの“菊タブー”ぶりを紹介しています。
「立ち入った質問抜きでお願いします お互い日本人ですから」という見出しのこの記事は、仏紙ルモンド六月三十―七月一日付に折り込まれたニューヨーク・タイムズに掲載されました。ルモンド紙は週一回、英文のニューヨーク・タイムズ十二ページを折り込んでいます。
同記事は、日本のメディアが宮内庁に対し何週間も前に準備した質問しかしない“記者会見”をしていると痛烈に批判。その質問原稿に対する答えを読み上げるだけの“記者会見”は、記者会見ではないとしています。
本来注目される質問はこういうものではないかと、次のような項目もあげています。
「皇太子の娘が王位を継承するべきかどうかについて、記者が陰で疑問をもっているということを天皇は分かっているのだろうか」「W杯で日本チームが予想を超える活躍を見せたことをどう思っているのか」「自分の父親の時代に植民地だった韓国でおこなわれたW杯の開会式に、どうして参加しなかったのか」
さらに、記者会見は、招待状に添えられている七ページにおよぶ注意書きに従わねばならず、カメラマンですら黒のスーツを着ているほど制限だらけであるとのべています。
また同記事は、皇室に対する“記者会見”が、世界的に見てもいかにやりにくいものであるか、著名人の発言も引用しています。日本外国特派員協会のスティーブン・ハーマン会長は、「われわれは質問もできない」と述べ、「モスクワの国家保安委員会(KGB)のトップやワシントンの国家安全保障局(NSA)のほうが、(皇室より)ずっとインタビューしやすい」と話しています。