2002年7月9日(火)「しんぶん赤旗」
会場をいっぱいにして、不破議長の記念講演を聞く参加者=8日、東京国際フォーラム |
一九二二年の党創立から八十年、日本共産党創立八十周年記念講演会が八日夜、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開かれました。東京は三〇度を超す猛暑となったこの日、午後二時ごろから入場整理券を求める人が訪れ、五千人の定席は開場とともにまたたく間に埋め尽くされました。不破哲三議長の「二つの世紀と日本共産党」をテーマにした記念講演、志位和夫委員長の「国政の焦点と日本共産党」と題した講演には、「戦前から今、そして未来への体系的な話で、現実の政治を変えていくことが未来にどうつながっていくのかがみえてきた」(東京・多摩市の三十四歳の会社員)などの感想が寄せられました。衛星通信を通じて全国でも多くの人が視聴しました。
記念講演する不破哲三議長 |
講演する志位和夫委員長 |
「八十周年の節目の年であり、激動の二十世紀の歴史を踏まえ、新しい激動の二十一世紀に足を踏み出す、胸おどる展望が実感される記念日だ」と切り出した不破議長は、二十世紀の日本と世界のなかで、日本共産党がどんな役割をはたしてきたか、二十一世紀にどんな目標と展望をもって活動しようとしているかの二つの柱で解明。戦前、戦後、ソ連覇権主義との対決という歴史をふりかえりながら、日本共産党の到達点と二十一世紀の展望を語りました。
党の過去、現在、未来を縦横に語った不破議長は「戦前はもちろん、戦後の日本社会でも多くの嵐に直面し、逆風も経験したが、党創立以来八十年、二十世紀の奮闘が生み出した豊かな成果をもって激動と変革の世紀を迎えることができた」「八十年の党史の到達点ともいうべきこれらの成果を思う存分に生かして私たちの事業の前進の大発展をかちとろう」とよびかけました。
志位委員長は、自民党政治の「究極の延命作戦」だった小泉政治の破局ぶりを示し、「ほんとうの改革とは何かの国民的な規模での模索が始まっている」と強調。(1)暮らしと経済(2)平和と外交の二つの問題で自民党政治の実態を告発し、国政と世界の激動に、道理の力をもって働きかけてきた日本共産党の活動を明らかにしました。
総選挙、いっせい地方選挙で勝利者となるため「強く大きな党をつくるとりくみ」をよびかけると、大きな共感の拍手がおきました。
ノートをびっしりとりながら講演を聴いていた東京・小平市の女性(26)は「党の八十年間の歴史にすごく確信をもった。いま現実は苦しいけれど、視野を広げれば未来が開けるんだという感じをもった」と語りました。
二十八歳の男性は感想文に「勇気と元気をもらいました。二十一世紀の壮大な展望、何度聞いても身震いします。『日本改革』の大切さ、奥深さを実感。日本の激動が手に取るようにわかりました」と書いていました。埼玉・所沢市の主婦・山城啓子さん(60)は、「二十一世紀に私たちがなにをやらなければいけないのかという課題がよくわかった」と語っていました。
市田忠義書記局長の司会で始まった記念講演会では、阿部猛・東京学芸大元学長ら各界の著名九氏からの日本共産党への期待のこもったメッセージが紹介されました。
また、京都・大原三千院元執事長の大島亮準さんと、俳優・演出家の米倉斉加年さんがあいさつ。京都からかけつけた大島さんは「日本共産党の八十年、血のにじむ世直しの姿に取り組んできた後ろ姿」を評価、「みなさんと一緒に歩いていきたい」とのべました。米倉さんは、平和を愛し、自由を愛する普通の人が、そして母と子が普通に生きることのできる社会を、と訴え。「声なき声を吸い上げ、国政の中で生かしていけるのが日本共産党ではないか」と語りかけました。
市田氏が、出席した党員首長六氏を紹介。さらに記念講演会の前日、福島・霊山町(りょうぜんまち)で十人目の党員首長が誕生したことを紹介すると、会場から割れるような拍手が起こりました。代表して、四月に当選したばかりの秋田県湯沢市の鈴木俊夫市長があいさつ。「住民に役立つ地方政治を実現するためにがんばっていきたい」と力強く表明し、さかんな拍手を受けました。