2002年7月5日(金)「しんぶん赤旗」
与党が提出した日本郵政公社法「修正案」に関連企業への「出資条項」が盛り込まれたことについて、日本共産党の矢島恒夫議員は四日の衆院総務委員会で、「郵便事業への“天下り”先を自らつくり出すことを解禁するものだ」と批判しました。
これまで郵政事業庁が関連企業に直接出資することは認められず、所管の公益法人が肩代わりして出資を行い「郵政ファミリー」といわれる子会社群を形成してきました。
矢島氏は子会社が“利権の巣くつ”となっていることを、公益法人の出資会社の一つ「総合資材サービス」を例に追及。三年間で三十人の郵政OBが同社に天下りしており、郵便車両のガソリン発注の際には一般競争入札にもかかわらず、同社が独占受注していたことを暴露しました。
矢島氏が「『出資条項』の追加は天下り先を増やすだけで郵便事業をめぐる腐敗にメスが入っていない」と指摘したのにたいし、修正案の提出者として答弁にたった桝屋敬悟議員(公明党)は「(官僚の)再就職については本人の技能、経験からおこなわれるもの」とのべ、“天下り”が今後もつづくことを認めました。
矢島氏は国民が改革を求めている郵便事業の腐敗構造はこの修正案ではますます拡大するとして、「とうてい国民の理解は得られない」と批判しました。