2002年7月5日(金)「しんぶん赤旗」
厚生労働省は四日、審議中の医療改悪法案が実施された場合、国民負担が平均で年間一兆五千百億円増えるという試算を明らかにしました。
試算では、保険料は国保、健保、共済のすべてで値上げされ、全体で年間一兆三百億円の引き上げになるとしています。自営業者などが加入する国民健康保険は、三千二百億円の負担増を見込んでいます。主に中小企業の労働者が加入する政府管掌健康保険は五千七百億円、健康保険組合と共済組合は千四百億円の値上げになります。
患者の負担増は、労働者や退職した年金生活者への三割負担導入や、お年寄りの一割負担(一定以上の所得者は二割負担)の徹底などで年四千八百億円にのぼります。
試算は、参院厚生労働委員会の理事会で、野党が提出を要求していたものです。政管健保以外の保険料への影響について、これまで厚労省は「正確には困難」と具体額の提示を拒否してきました。
日本共産党の小沢和秋議員が二カ月前の質問(五月八日、衆院厚生労働委員会)で、一兆円を超える保険料値上げを見込んでいること、患者負担引き上げと合わせて一兆五千億円規模の負担増になることを示していました。今回の試算で、厚労省はようやくその具体的な内訳を明らかにしました。