2002年6月29日(土)「しんぶん赤旗」
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総務省が二十八日発表した五月の完全失業率(季節調整値=各月を比較できるよう季節的要因を調整した値)は、五カ月ぶりに上昇(前月比0・2ポイント)に転じて5・4%となり、昨年十二月の過去最悪水準(5・5%)に迫りました。小泉内閣は景気の「底入れ宣言」をしましたが、雇用悪化は依然、高水準で推移しています。(8面に関連記事)
完全失業率を男女別にみると、女性は四月より0・4ポイント上昇して5・3%となり、過去最悪です。男性は同0・1ポイント上昇の5・5%でした。完全失業者数は一年前より二十七万人多い三百七十五万人で、十四カ月連続して前年同月比増を続けています。
とくに、正社員など常用雇用者の落ち込み(百二十六万人減、十カ月連続)が激しく、五月は過去最悪を更新しました。女性は四十六万人減と大幅減少(四月は十六万人減)し、女性正社員にリストラの矛先が向かったものとみられます。
働いている人全体を示す就業者も、前年同月を十四カ月連続して下回る百十七万人減の六千三百五十六万人。一九五四年一月の百三十二万人減に次ぐ過去二番目の減少数です。
働く場は、大企業の身勝手なリストラや人減らし、下請け中小企業いじめ、ルールなき生産拠点の海外移転(国内産業空洞化)などで確実に縮小しており、民主的規制がいま必要です。