2002年6月28日(金)「しんぶん赤旗」
【ワシントン26日坂口明】ラムズフェルド米国防長官は二十六日の記者会見で、戦略核兵器を一元的に運用する戦略軍(司令部・ネブラスカ州オファット空軍基地、千八百人)と弾道ミサイル発射や衛星運用、偵察・情報収集を担当する宇宙軍(同・コロラド州ピーターソン空軍基地、七百五十人)を近く統合すると発表しました。ブッシュ政権が検討中の敵対国家・テロ組織への先制攻撃戦略や核使用政策に対応する措置とみられています。
同長官によると、新組織は「ミサイル攻撃と通常兵器による長距離攻撃に対する早期警戒と防衛」や情報作戦に責任を負います。新組織の名称や新司令官は未定。ラムズフェルド氏は、新司令部が戦略軍司令部のあるオファット空軍基地に置かれることになりそうだと語りました。十月に発足するもようです。
ニューヨーク・タイムズ二十五日付によると、政府当局者は、この組織統合が、大量破壊兵器の取得を目指す国やテロ組織への先制攻撃というブッシュ政権が検討中の新戦略にうまく当てはまるものだと語りました。
新司令部は、ブッシュ政権が配備を急ぐミサイル防衛と、核・通常兵器による攻勢を統一的に指揮することになります。同紙は、この再編が、核兵器使用を想定した「核態勢見直し(NPR)」報告に対応したものだと示唆しています。
『アビエーション・ウィーク・アンド・スペース・テクノロジー』誌によれば、新司令部は「地球作戦司令部」の仮称が付けられています。