日本共産党

2002年6月18日(火)「しんぶん赤旗」

フランス国民議会選挙

保守大統領派が単独過半数

7年ぶり大統領・内閣・国会の多数に

極右は全員落選 左派陣営は大幅後退


 【パリ16日山田俊英】フランス国民議会(定数五七七)選挙の決選投票が十六日行われ、即日開票の結果、シラク大統領を支持する保守政党の連合、大統領多数派連合(UMP)が三分の二の議席を獲得し、単独過半数を握りました。保守が大統領、内閣、国会の多数派を握るのは一九九五年以来、七年ぶり。投票率は61%。一九五八年制定の現憲法下の大統領選挙、国民議会選挙で最低を更新しました。

 内務省の発表によると、全五百七十七議席が確定し、UMPは三百五十五議席、仏民主連合二十九議席など他の保守政党をあわせて三百九十九議席を獲得。保守全体で改選時の二百四十五から大幅に増やしました。

 一方、社会党は百四十議席(改選時二百四十八)、仏共産党は二十一議席(同三十五)、緑の党三議席。旧政権与党は改選時の三百十四から百七十八議席に後退しました。

 前政権閣僚経験者では週三十五時間労働法を立法化したオブリ元雇用連帯相(社会党)、ボワネ元環境相(緑の党)、シュべヌマン元内相、モスコビシ前欧州問題担当相らが落選しました。

 仏共産党は国会で会派を構成できる二十議席をかろうじて維持しましたが、大統領候補だったロベール・ユ議長が落選し、大きな打撃を受けました。

 極右、国民戦線は全員落選しました。

 ラファラン首相は「シラク大統領の政策が支持された。与党として断固改革を進める」と勝利宣言しました。

 大統領選の第一回投票で社会党のジョスパン候補(首相)が極右に敗退するという異例の結果の後、極右大統領の出現を阻止するため社会党、仏共産党も保守のシラク氏に投票を呼びかけざるをえなくなり、シラク氏当選後の総選挙では保守陣営は国民議会選挙で「議会で大統領に多数を」と訴えました。

 社共両党は「シラク氏の政策が国民に支持されて当選したわけではない」とし「全権力を保守に与えれば社会保障が削減される」と反撃しましたが、大統領選後のジョスパン氏の引責・引退の打撃もあり大統領選勝利の勢いをかる保守に勝てませんでした。

 


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