2002年6月13日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は十二日、国会内で記者会見し、党首討論の感想についてのべました。
志位氏は、アメリカ・ブッシュ政権がことし一月に出した「核態勢の見直し」(NPR)報告について、「その大きな問題点の一つは、非核保有国に対する核兵器使用という新しい危険な道に足をふみ入れたことにある」と指摘。非核保有国には核兵器を使わないというのは、核保有国の核独占体制を押しつけるNPT(核不拡散条約)体制のもとで、非核保有国の最小限の要求を受け、アメリカが公約してきたもので、「それを踏み越えたというのが、今度のNPRの最大の問題の一つだ」と強調しました。
そのうえで、この日の党首討論で、小泉首相が、アメリカが非核保有国に対する核使用という「選択肢」を持つことを日本政府として「非」とせず、事実上、容認する立場を明らかにしたことは重大だと指摘。
昨年十一月の国連総会で、「非核保有国に対する核兵器の使用を禁止する国際協定の締結を早期に求める」決議に日本政府は賛成したのに、アメリカのNPRがことし一月に出ると、「自分たちが国連で賛成したことも言えなくなってしまうというのが、日本政府の核政策だ」と告発。「核兵器を持ち、使うことへの無感覚、無責任の根本には、対米追従の核政策がある。そういうなかから(非核三原則見直しの)福田発言が出てきた」と指摘しました。
同時に、有事法制特別委員会(五月七日)での志位氏の追及で、ラムズフェルド国防長官が「先制攻撃」をアメリカの選択肢とすると公言していることについて、小泉首相は「そういう選択肢を持つことはありうる」と公然と認めていることを指摘。
非核保有国への核使用拡大を事実上、容認したこの日の答弁とあわせ、「有事法制の危険性が、いっそう深刻なものとなった。私たちは、米軍の海外での戦争支援のための法案だといってきたが、その米軍の行う戦争は、先制攻撃の戦争であり、非核保有国にも核兵器を一方的に使用する戦争だ。先制攻撃の戦争への加担、一方的な核戦争への加担をやろうとしているのが、有事三法案の本質だ」と強調、有事法案を必ず廃案に追いこむため奮闘したいとのべました。