2002年6月1日(土)「しんぶん赤旗」
親の失業や倒産、収入減のため退学したり、修学旅行にいけない私立中学・高校生が増えていることが明らかになりました。全国私立学校教職員組合連合(全国私教連、谷正比呂委員長)が調査し、三十一日に発表したもの。
調査は二百三十九の私立高校(生徒総数約二十三万人)と七十九の私立中学校(同約三万二千人)を対象に、今年三月末の状況について実施。経済的理由で退学した生徒は、高校で三百四十七人(一校あたり平均一・四五人)、中学で十五人(同〇・一九人)。昨年の同調査では高校が二百九十九人、中学が十人で、いずれも大きく増加しています。
理由としては、「父親が失業、本人が働いて家計を助けるしかなかった」「父親が事業に失敗し蒸発」など、親のリストラや営業不振・倒産が目立っています。
修学旅行に不参加だった生徒は中学と高校合わせて四百六十四人で、昨年の二百四十四人から急増。「授業料納入が大変で旅行代金まで手が回らない」などが理由で、「母子家庭で、表向きは病欠だが、実際は旅費の積み立てができなかった」という例や、「修学旅行費を授業料にまわして進級した生徒が八人いる」という学校も。
国や都道府県による授業料減免や補助の制度がありますが、保護者や教師に十分知らされていないため、活用されていない実態があります。全国私教連では、制度の拡充と周知徹底、育英会奨学金の廃止反対・拡充、私学教育費減税などを緊急要求として、運動を進めています。