日本共産党

2002年5月30日(木)「しんぶん赤旗」

アルバイトの過労死認定

入社後50日 新基準を適用

大阪


 雑誌編集会社に勤務していた大阪府枚方市の広瀬勝さん=当時(21)=が一九九六年六月、虚血性心疾患で突然死した問題で、大阪労災保険審査官は二十九日までに、不認定とした天満労働基準監督署(大阪市)の決定を取り消し、過労による労災と認定しました。

 審査請求した母親のみどりさん(54)の代理人弁護士によると、入社後約五十日という極めて短期間の労働に対し、新労災認定基準の「長期間の過重業務」を適用したのは異例といいます。

 広瀬さんは同年四月二十二日、同社にアルバイトとして入社。中古車情報誌の製作を担当し、死亡前九日間の労働時間が百十六時間に及び、一カ月の時間外労働は九十三時間に達しました。不規則勤務のほか、常に精神的な緊張を強いられ、同年六月十二日、自宅で死亡したといいます。

 みどりさんは九八年六月に労災申請しましたが、同労基署が二〇〇〇年一月、不認定としたため審査請求していました。

 記者会見で、みどりさんは「親として何もしてやれなかった。会社は責任を取ってほしい」と話し、同社を相手取り約一億円の損害賠償請求訴訟を六月五日に大阪地裁に起こすといいます。

 


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