2002年5月25日(土)「しんぶん赤旗」
与党三党が有事三法案の月内衆院通過を狙い、公聴会日程を単独で決めるという暴挙で各委員会の審議がストップしている国会は二十四日、公聴会日程の白紙撤回を求める野党側と公聴会の延期で収拾をはかろうとする与党側との攻防が続きました。衆院有事法制特別委員会は午前十時から与党だけの出席で開かれましたが、予定していた一般質疑に入らないまま散会となりました。与党だけで同特別委を開会したのは、二十二、二十三両日に続き三回目。その後開かれた理事会で与党は、二十七日の中央公聴会を延期し、同日には一般質疑を行うことを一方的に決定。二十八日の中央公聴会開催については二十七日に改めて協議することにしましたが、自民党理事からは「与党内からも無理をする必要はないという声はある」と延期になる可能性が強くなっています。
一方、日本共産党、民主党、自由党、社民党の四野党国対委員長は国会内で会談し、与党が公聴会延期をいいはじめたことなどをめぐり協議。「採決という“出口”を押しつけるのは認められない」と公聴会の単独議決前の原状回復が前提となることを確認しました。
また、鈴木宗男衆院議員の自宅や事務所などが東京地検による家宅捜索を受けたことから、同氏の議員辞職勧告決議案の本会議上程を求めてきた野党の主張の正当性が改めて裏付けられたとして、同決議案上程を重要な課題として扱っていくことで一致しました。
会期が六月十九日に迫るなか有事三法案など重要法案の取り扱いで政府・与党からは会期延長の声が出ています。福田康夫官房長官は同日午前の閣議後の記者会見で、「この国会はそういう法案を通すためにやっているわけだから、法案が通らないというのは困る。法案が通るよう十分な(審議)時間が必要だ」と述べ、会期延長が必要との認識を示しました。