2002年5月22日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党の国会議員(左側)が抗議するなか、有事法制特別委員会の公聴会日程の採決を強行する与党3党=21日、衆院第1委員室 |
自民、公明、保守の与党三党は二十一日の衆院有事法制特別委員会で、有事三法案の地方公聴会(二十四、二十七日)と中央公聴会(二十七、二十八日)の開催を野党欠席のまま強行議決しました。この強行にたいし共産、民主、自由、社民の野党四党の特別委理事・委員は共同で記者会見し、「断じて認められない暴挙だ」と批判しました。
これに先立つ同日昼の特別委理事会で、久間章生自民党筆頭理事がこの日の委員会で公聴会開催を議決するよう要求し、瓦(かわら)力特別委委員長が夕方から再開する委員会の冒頭に議決すると一方的に宣言。野党側は、公聴会開催は時期尚早であり、瓦委員長の元秘書の給与についての疑惑解明が必要であるとして議決に強く反対しました。
夕方から再び開かれた理事会では、与党側が瓦氏の秘書給与についての資料を提出。野党側は持ち返って検討したいと要求しましたが、与党は説明は十分だとして一方的に協議を打ち切り、委員会の開会を強行しました。
公聴会の強行議決直後、久間氏は一連の公聴会日程について、「月内の衆院通過のためには今日中に決めなければならなかった」と、法案成立“初めにありき”の立場をのべました。
野党四党の記者会見で、日本共産党の木島日出夫議員は「実質審議入りしてまだ六日、三十四時間しか審議されていない」と指摘。「政府が『武力攻撃事態』など法案の基本的な定義すらまともに説明できない状態で、国民の意見を聞く公聴会の開催などできない」と強調。瓦委員長の疑惑の真相が晴れたとはいえないと指摘しました。
そのうえで「きわめて重要な法案を与野党の合意なしに突っ走って、出口を決めようというやり方は許されない。法案の性質上、一点のくもりもない慎重な審議をというのは国民の声だ。審議の土台を壊した与党の責任は重大だ」と批判しました。