2002年5月21日(火)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の市田忠義書記局長は二十日、国会内で記者会見し、与党側が衆院有事法制特別委理事会で、有事法制三法案についての中央公聴会を二十七日に開催するよう提案したことについて「野党が本格的な質疑をしたのは、五月七、九両日の総括質疑を除けば、二十日の審議が初めてだ。公聴会の日程を協議する時期ではまったくない」と強調しました。
その上で「(同法案は)戦後初めて、自衛隊による海外での武力行使を可能とすることを明記した、日本の進路にかかわる重大法案だ」と指摘。「公聴会を行えば、与党側からみて採決に向けた条件が整うことになる。与党側には、まともに審議する姿勢がなく、暴挙というべき提案だ。絶対に容認できない」と厳しく批判しました。
「武力攻撃事態法案」など有事法制三法案の月内衆院通過を狙う自民、公明、保守の与党三党は、二十日の有事法制特別委員会の理事会で、中央公聴会の二十七日開催を正式に提案、同特委でただちに日程の議決を行うよう主張しました。同特委での審議は二十日現在で五日間・三十二時間にすぎず、野党側は「公聴会設定は早すぎる。衆院通過という出口をつくりあげるものだ」と反対し、引き続き協議となりました。
理事会で公聴会日程を提案した自民党の久間章生議員(与党筆頭理事)は、当面の日程として(1)二十一日に一般質疑(2)二十二日は野党側が要求していた台湾政庁の資金提供疑惑に関する秋山昌廣元防衛事務次官の参考人質疑を行いたいと提案。法案の全体の審議時間について「周辺事態法の質疑時間(八十時間)より少なくていいと考えている」と発言しました。
日本共産党の木島日出夫議員は、自民党の山崎拓幹事長が「今週中に(衆院を)通したい」と法案の採決強行を狙っているもとで公聴会の設定議決は許されないと主張。野党側は、自治体首長の意見を聞く地方公聴会の開催を求めました。
これに対し久間氏は、「今回の法案はプログラム法だ。中身は今後二年間で決める。自治体首長の意見は次の法律を決めるときに聞けばよく、今回は必要ない」と反対したため、野党側は強く抗議しました。
瓦力委員長は、「公聴会は与野党一致していないので、引き続き協議してほしい」と与野党間の協議にゆだねました。理事会では二十一日午前に一般質疑をおこなうことだけを決めました。