2002年5月18日(土)「しんぶん赤旗」
地球温暖化防止のための京都議定書の批准承認案が十七日、衆院外務委員会で全会一致で承認されました。
同議定書は、先進国および旧ソ連・東欧諸国の三十九カ国に、温暖化ガスの排出削減を二〇〇八年から二〇一二年までの間に5%(九〇年比)にすることを義務づけたものです。
採決に先立つ質疑で日本共産党の松本善明議員は、各国のエネルギー政策の転換など自国の自助努力によって温暖化ガスの排出削減をすすめるのが同議定書の精神だったが、日本が後ろ向きの対応をとってきたことを指摘し、「地球環境を守る先頭に立つべきではないか」と追及しました。川口順子外相は、「合意、共通の目的に向けて譲歩しあうことが必要だ」と述べるにとどまりました。
松本氏はさらに、同議定書の中身はアメリカの主張を大きく取り入れ、反映されているにもかかわらず、温暖化ガスの排出量のうち世界で最大のアメリカが最終的に離脱したのは、「自国の利益のみを優先する一国覇権主義で重大な問題だ」と批判しました。