日本共産党

2002年5月11日(土)「しんぶん赤旗」

鈴木議員偽証告発の議決動議

事実を葬ることは許されない

佐々木憲昭衆院議員の意見表明


 日本共産党の佐々木憲昭議員が十日の衆院予算委員会でおこなった鈴木宗男議員の偽証告発の議決動議に対する賛成の意見表明は以下の通りです。

 三月十一日の予算委員会における鈴木宗男議員の証言が偽証である疑いはきわめて濃厚であり、同議員を偽証罪で告発することは、本委員会の当然の責務です。

 証人喚問の焦点であった「ムネオハウス疑惑」は、鈴木議員が外務省に圧力をかけて入札要件を不当にねじまげたうえ、同議員の後援会企業である渡辺建設工業、犬飼工務店に受注させ、そこから政治献金を受けていたというものです。私たちは、外務省の内部文書を示して入札・受注への同議員の関与を追及してきました。

 ところが、自民党の浅野議員が証人喚問で「あなたの秘書がかかわっていた可能性はありませんか」とただしたのに対し、鈴木議員は「かかわっていたということはございません」と全面否定する証言をおこないました。

 しかし、次々に公表された外務省文書によっても、鈴木議員および宮野秘書の関与疑惑はいよいよ濃厚となり、四月三十日、東京地検は宮野秘書を「偽計業務妨害罪」で逮捕するに至ったのです。

偽証は濃厚 告発は当然

 鈴木議員の三月十一日の証言がウソであり、偽証の罪にあたることがきわめて濃厚となった以上、議院証言法第八条の“委員会は、証人が偽証の罪を犯したものと認めたときは、告発しなければならない”との規定にもとづき、偽証告発することは当然です。

 そもそも証人喚問は、憲法六二条の国政調査権の行使です。国会の権限である国政調査権は、真実を述べる旨の宣誓をした証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する(議院証言法第六条)という刑罰を背景に、不正行為などの真相を解明する機能を国会に与えているのです。

 しかも、最高裁判決によって、この偽証罪は国会の委員会の告発を起訴条件とすることとされ、鈴木議員の偽証の疑いが、事実に照らして誰の目にも明らかになったとしても、本委員会が告発をおこなわないかぎり、検察当局は、偽証罪で立件できないという運用がなされているのです。

明白な疑いを多数で抹殺

 ところが、小泉政権・与党三党は、「宮野秘書の逮捕だけでは偽証の証明はできない」などというだけで、説得的な説明を何らおこなわず、偽証告発の動議を否決するというのです。

 それは、本委員会が鈴木議員の当該証言を「偽証ではない」と認め、告発しないと表明するものであり、明白な偽証の疑いを多数で抹殺するものにほかなりません。事実を多数で葬ることは断じて許されないのです。これまでにも、ロッキード事件をはじめ金権疑惑の解明にたいして疑惑にフタをするさまざまの動きがありました。しかし、偽証告発を否決するなどということは一度もなかったのです。まさに前代未聞の愚挙であり、本委員会の権威を著しく失墜させるものです。

 与党三党は、なぜ事実に目をむけず、鈴木議員をかばいつづけるのか、あまりにも異常な状態と言わなければなりません。

 このことを指摘し、鈴木議員の偽証告発に賛成の意見表明をおわります。

 


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