2002年5月10日(金)「しんぶん赤旗」

領事館内拘束事件

抗議している　小泉首相

　小泉純一郎首相は九日昼、中国・瀋陽の日本総領事館に中国の警察官が立ち入り、北朝鮮の住民とみられる一家を拘束した問題について「ウィーン条約違反だと思う。だから抗議している」と遺憾の意を表明。「誠意ある中国側の対応を求めて行く」との考えを示しました。首相官邸で記者団の質問に答えたもの。

条約違反を否定　駐日中国大使

　外務省の竹内行夫事務次官は九日午前、同省に武大偉駐日中国大使を呼び、強く抗議しました。

　身柄拘束された五人の速やかな引き渡しも要求しました。これに対し、武大使は「日本総領事館の安全確保のために取った措置で、他に意図はない」と強調しました。その上で、「身分不明の人が日本総領事館に突入するのを防いだもので、中国政府としてはウィーン条約を順守していると考える」と条約違反を否定しました。