2002年4月30日(火)「しんぶん赤旗」
【北京29日小寺松雄】中国の江沢民国家主席は二十九日、中国を訪問中の神崎武法公明党代表と会談し、今月二十一日の小泉首相の靖国神社参拝について「許すことができない」と強い抗議の気持ちを表明しました。中国外務省は今回の参拝に「強い不満」を表明していますが、江主席がこの問題で発言したのは初めてです。
江主席は神崎代表との会談で自ら首相の靖国参拝問題を提起し、「昨年の参拝後、小泉首相は訪中して抗日戦争記念館などを訪問し、上海APEC(アジア太平洋経済協力会議)で私と会談した。これで終わったと思っていたら、突然の参拝という思わぬ事件が起きた。小泉首相はこのことを簡単に考えてはいけない」と述べました。
神崎代表は公明党が首相の靖国参拝に反対であると表明したうえで、小泉首相は八月十五日を避ける一定の配慮をしたと説明しました。
江主席は再度発言し、「政治家は信義を守ることが大切で、(その人物による)国際社会に向けた発言が信じられるかどうかということだ。これは国家対国家、歴史対歴史の問題だ。小泉首相の靖国参拝は私は許すことができない」と述べました。
昨年、小泉首相は靖国神社に参拝した。中国は反応した。実際の行動で参拝反対を示さねばならない。その後、小泉首相は訪中して、盧溝橋、抗日戦争記念館などを訪問し、上海APEC(アジア太平洋経済協力会議)にも参加して私と会談した。これで終わったと思っていたら思わぬ事件がおきた。突然の参拝だ。われわれは信義を重んじる。小泉首相はこのことを簡単に考えてはいけない。
(神崎氏の靖国問題での発言に対し)意見はうかがった。政治家は信義を守ることが大切だ。国際社会に向かって発言したことを信じるか信じないかということだ。これは国家対国家、歴史対歴史の問題だ。家庭内の問題ではない。小泉首相の靖国参拝は私は許すことができない。