2002年4月29日(月)「しんぶん赤旗」
四月一日から発足したみずほ銀行で混乱が続いています。利用者から「会社の仕事で旧富士銀行支店にある『みずほ』の入出金用紙に金額を書いて、口座がある旧第一勧銀の支店に行くと『用紙が違う。使えないから書き直して』と言われた。『実害がない』などといった幹部の発言はふざけている」という怒りの訴えがありました。調べてみると―。(浜島のぞみ記者)
旧第一勧銀のみずほ銀行代々木支店の窓口で、預け入れ用紙を探すと第一勧銀の名前のものしか見つからず、案内の女性に尋ねました。「みずほ銀行の用紙は切れてしまって本社から届くのを待っている状態です。今は勧銀の用紙で対応させていただいております。申し訳ございません」
富士銀行が作製したみずほの用紙を使う場合はどのようになるのかを尋ねると「処理ができないわけではないのですが、三十分以上かかってしまう。富士銀行へ行かれたほうがお待たせしなくてすみます」とのことでした。
旧富士銀行の新宿西口支店では、「二つの銀行の共通の様式の用紙はまだないんです。一年後には統合する予定で、お客様にご迷惑をおかけします。勧銀が作製した用紙は窓口でとまどってしまうかもしれません。処理はできますが多少時間がかかりますので、勧銀の用紙をお持ちなら向かい側にある旧勧銀へ行かれた方が」と言われました。
みずほ銀行広報室に問い合わせてみると、「今は勘定系のコンピューターシステムが富士と勧銀で違っているので用紙も異なります。来年度の上半期には共通の用紙に統合されます。コンピューターシステムも勧銀方式に一本化します。各銀行に置いてある用紙でないと使えないので、お客様に書き直していただくよう、窓口で説明しています。金額の正確を期するため、行員が書き直すことはしません」。混乱はないのか、という問いに「今のところ、こちらでは聞いておりません」という回答でした。
銀行側の思惑のみで利用者に配慮していないと感じました。利用者へのサービスが低下する看板掛けかえをなぜ急いだのでしょうか。