日本共産党

2002年4月28日(日)「しんぶん赤旗」

母さんの配転やめさせた

NTTに山口県労働局が指導


改正育児介護休業法さっそく力に

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「ほっとしました」と笑顔をみせる小田恵子さん

 子育て中や介護の必要な家族がいる労働者を配転させようとしていたNTT西日本が、改正育児介護休業法二六条違反との指摘を受けて、配転を撤回していたことが二十七日までにわかりました。山口支店の小田恵子さん(50)にたいしての措置で、大阪支店への二カ月研修を取り消しました。

 十一万人リストラをすすめるNTTは、五十歳以上の労働者に対し、転籍に応じなければ広域配転だと脅し、子会社への転籍(賃金三割カット)を迫ってきました。拒否した労働者を、山口から大阪、大分から熊本などへ配転させようとしています。

 小田さんは、五人の子の母親。同居の父親が二月に心臓病で倒れ、退院後も介護が必要なため「大阪への出向はどうしてもできない」と訴えてきました。

 四月一日から施行された改正育児介護休業法の二六条「労働者の配置に関する配慮」は、転勤などで働きながら育児や介護をおこなうことが困難になる場合、事業者の配慮を求めています。しかしNTTは、これを無視してきました。

 日本共産党の小池晃参院議員が十八日、厚生労働委員会で、小田さんたちの実例を示し「NTTのやり方は二六条の趣旨に反する」と追及。厚労省の岩田喜美枝雇用均等・児童家庭局長も「全国配転が前提のコースでも、具体的な転勤の命令を出すときには労働者の家庭状況や意向に配慮するというのが二六条だ」と答弁し、育児や介護を配慮しない配転は二六条違反との認識を示しました。

 小田さんは、これをうけて二十三日、山口県労働局にあらためて相談しました。二時間にわたって話を聞いた担当者は、同日午後にNTT山口支店の総務部長を呼び出し、「労働者の要望に沿った発令をするように」と指導します。翌日、会社は辞令で小田さんを「山口支店扱い」とし、五、六月の大阪支店研修を取り消しました。

 通信産業労働組合の岩崎俊委員長は、「育児介護休業法に違反するNTTの配転命令が是正された。この成果を全国に広げたい」といいます。

 小田さんは、「どんなに声を上げても会社は動かず、何も改善されないように思いました。小学六年の息子は“お母さんを大阪にやらないで”とおばあちゃんといっしょに会社に手紙を書いてくれました。直前の小池さんの質問にも力を得ました。あきらめなくてよかった。まだ多くの人が悔しい思いをしています。さらに大きく手を結ばんといけんと思います」と語りました。

 


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