日本共産党

2002年4月23日(火)「しんぶん赤旗」

くすぶる「調査活動費」疑惑

検事による最近の不祥事


1993年11月 ゼネコン汚職捜査を進める東京地検特捜部に応援で加わった検事が取り調べ中、参考人2人に暴行を加え、特別公務員暴行陵虐致傷罪で起訴
 94年3月 秋田地検の次席検事が女性記者へのセクハラ疑惑で停職処分を受け、辞職
99年4月 月刊誌に女性問題が掲載された則定衛東京高検検事長が辞職
2000年5月 法務総合研究所の検事が電車内で痴漢したとして現行犯逮捕
 00年6月 名古屋高検総務部長の検事が万引きして減給処分を受け、辞職
 01年3月 福岡地検の山下永寿次席検事が、古川龍一福岡高裁判事の妻による脅迫事件の捜査情報を古川判事に漏えいしたとして、停職処分を受け辞職
 02年4月 大阪高検の三井環公安部長が詐欺容疑などで逮捕

解説

 大阪高検公安部長が、暴力団がらみの犯罪の主犯として逮捕されるという前代未聞の事件は、「政・官」にまん延している腐敗体質が検察内部にも広がっているのではないか、という危ぐをいっそう深めるものとなりました。

 大阪高検は、総務部、刑事部、公安部の三つの部があり、検事長、次席に次ぐのが部長です。その一人、現職公安部長の逮捕の衝撃は計り知れないものがあります。しかも事件が、捜査対象である暴力団の関係者との共謀のうえ行われたことにも事態の深刻さがあります。

 女性問題で、辞任した則定衛・東京高検検事長の例、捜査情報を容疑者の夫である福岡高裁判事に漏らした福岡地検の次席検事の事件など、検察幹部の不祥事・不正が相次いでいるなかで、発覚した今回の事件です。「検察は腐っている」という国民の不信は当然です。

 検察幹部の私的遊興費などに使われた、と一部週刊誌で指摘されていた調査活動費(調活=ちょうかつ)をめぐる疑惑はくすぶったままです。国民の税金である検察庁予算から支出される調活の使途はどうなっているのか――行政を監視する市民オンブズマンが情報公開を要求しても、使途や支出先が黒塗りの資料が出てくるだけです。検察庁は、今回の事件を徹底解明するとともに、調活問題などの全容も明らかにして、国民のなかの検察不信を取り除く努力をすべきです。(栗田敏夫記者)

 


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