2002年4月14日(日)「しんぶん赤旗」
国民の税金が「国会対策費」の名で一着五十万円、百万円もの背広代に消えていた―。十三日、日本共産党が入手した官房機密費の会計記録に名前が上がった高級紳士服店「銀座英国屋」(東京・中央区銀座)を訪ねると、「マスコミ、報道からの問い合わせが相次いで、うちも困っているんです」と、腰の低い店員たちがすっかり目を丸くしていました。近くを通りかかった会社員らから、「小泉さんも五十万円もらっていたそうですね。会社だったらこんな金の使い方許されませんよ。政治のレベルが低すぎる」「(共産党)がんばって!」という声も返ってきました。
銀座四丁目の交差点近くで、もっとも長く営業してきた同支店の二階。一着、百五十万円や五十万円以上の高級紳士服(仕立て代こみ)が並んでいます。
「九一年ころといえば一着十五万円以上。いまでも五十万、百万の高級紳士服は一月に一着、いや三月に一着でるかでないか」と説明します。
会計記録のなかの「国会対策費」という分類には「英国屋(権藤、二見、鶴岡)」百六十万五千円(九一年十一月十四日)、「英国屋(黒柳明)」百万円(同十一月二十六日)、「総務会メンバー三十九人(背広)」千百七十万円(同十二月十七日)、「(参)幹事長、副幹事長六名(背広)」百八十万円(同十二月二十日)などなど。
英国屋本社(中央区勝どき)の経理担当者。「七年前までの伝票はとってあるんですが、十年前のは焼却してしまいました。うちでは代金の出所が機密費だとはわかりませんから…」と、すっかり困惑した様子です。百万円もする背広はどんなものか。店員は、「写真ではわかりません。さわってみてください」。記者は「え、いいんですか」とおそるおそる指でつまんでみると、すべすべぶりに驚きました。
英国屋前、銀座四丁目交差点の歩行者天国で家族と待ち合わせしていた埼玉県草加市の男性会社員(66)は、せきを切ったように話し出しました。「このバーバリーだって、汗して働いて買ったもの。会社の経費で五十万円、百万円の背広を落とすことなんて、税務当局が認めませんよ。下町の中小工場の社長の相談役をやってますが、機密費でこんな背広代とかとんでもないですよ。やっぱり共産党への内部告発なんですか。国民がこういうこと監視していかないとね。(共産党)がんばってくれ」