2002年4月8日(月)「しんぶん赤旗」
日本共産党の筆坂秀世政策委員長は七日、テレビ朝日系の「サンデープロジェクト」に出演、日本共産党の国会議員公設秘書の活動と給与のあり方、実態について語りました。
筆坂氏は、党を除名された元秘書が東京地検に告発したことについて問われ、「(元秘書は)一昨年に同趣旨の告発をおこなったが、東京地検は嫌疑なしで不起訴処分という門前払いにしている」と強調。元秘書は在任中、一度も「寄付を強制された」とのべたことはなかったと指摘しました。
「なぜ同じようなことが今出てきたのか」と問いかけた筆坂氏は、「京都府知事選の直前で、今日が投票日だ。(元秘書の)告発日と同じ日に、京都では、これを利用した出所不明のビラがまかれた。背景に意図的なものを感じる」とのべました。
そのうえで、党の秘書給与のあり方について、パネルを示してくわしく説明。「秘書への給与のうち、一定額を拠出し、秘書活動の『共同の経費』、つまり、調査や資料、出張にあてている。党や議員がピンハネしているとかいうことはまったくない。秘書が出した分は、秘書が使っているということだ」と強調しました。
また、秘書の拠出を政治資金規正法上の寄付として扱っていることについて、「(秘書から秘書の活動経費に)じかに出すと、政治資金収支報告に出てこないからだ」とのべ、国民に見えるよう透明化するためにおこなっていると説明。さらに、秘書がついている各委員会ごとに出張回数など活動のばらつきがあるため、「共同の経費」とすることで、もっとも効率的に秘書の活動ができることを強調し、「秘書活動以外のものに使っていることはまったくない」とのべました。
さらに、政策秘書になぜ高い給与が支払われているかについて、「一千万円を全部生活費に使ってくれということを期待してのものではない。議員活動、立法活動、政策活動を補佐するためのものであり、私たちはそのためにこれを(『共同の経費』として)使っている」とのべました。
秘書給与の受け取り口座を、これまでは実務の煩雑さを考慮し、秘書から委任状もとって、「日本共産党国会議員団松本善明」口座にしていたが、「われわれはべつに何か隠していることではない」として、秘書個人の口座に変更することも明らかにしました。
民主党の岡田克也政調会長は、日本共産党の秘書給与の問題にふれ、「この場合は、政治資金規正法にもとづいて届け出を出している。現実に、届け出をしていないケースはかなりあり、表に出てこないそっちのほうがずっと悪い」とのべました。
日本共産党の志位和夫委員長は七日、フジテレビの「報道2001」の番組に出演し、各党党首、幹事長と討論しました。このなかで志位氏は、国会議員公設秘書の活動と給与についての日本共産党の見解を説明し、「秘書給与は、全額が秘書の活動に使われている。国から支給された給与のうち、本人に党本部の勤務員と同額が支給され、(差額を)本人の自発的な意思で拠出、寄付して、秘書活動の『共同の経費』にあてている」とのべました。
志位氏は「『共同の経費』とは、調査や資料、出張などで、パブリック(公的)な経費にあてており、全額がきちんと国会議員団の秘書活動に使われる。みんなが自発的に寄付して、みんなで使っているものだ」と説明。
これは、「(政治資金収支報告への記載など)透明性を確保して、国民にわかるためにこうした仕組みをとっている」とのべ、「(公設秘書制度の)趣旨に一番のっとった効率的な税金の使い方であり、これがあるからこそ、安心して秘書の活動ができる」と強調しました。
そのうえで志位氏は、公設秘書制度の問題にかんし、政策秘書、公設第一秘書、第二秘書の秘書の氏名について、「国会には届け出がされているが、国民には公開されていないことが大きな問題の一つだ」として、「公開の義務付け」を提案。「名義貸し」の実態や、一九九一年の「国会議員の秘書に関する調査会」の答申で、避けるべきだと指摘された妻や子どもなど近親者を採用しているかどうかについてもわかるようにするため、秘書名や役割を公開するよう求めました。