2002年4月4日(木)「しんぶん赤旗」
BSE(狂牛病)の国内発生をめぐり、農水省が一九九六年四月のWHO(世界保健機関)による肉骨粉禁止勧告を受けながら行政指導ですませた問題で、同勧告直後に開かれた同省の「牛海綿状脳症検討会」のメモ(議事録)を意図的に隠していたことが、三日の衆院農水委員会で分かりました。日本共産党の中林よし子議員の質問に、同省の遠藤武彦副大臣が明らかにしました。
メモは、検討会で専門家から相次いで出された、肉骨粉の法的禁止を求める発言を記したもの。農水省は、中林氏らの再三の提出要求にたいし、「探しても出てこない」「紛失した」として拒否していました。ところが、昨年十二月二十四日になって「見つかった」とされ、その後公表されました。この日は、「検討会」開催当時、畜産局長をしていた熊沢英昭事務次官の辞職が決まった直後です。
中林氏は「熊沢事務次官の責任が浮き彫りになるのを恐れて、資料を出さなかったのではないか」と追及。遠藤副大臣は「厳しい資料要求があるということだったので、衆院法制局に『どの程度まで要求を受け入れられるか』を問い合わせ、出させた。中身をみて驚いた。資料の請求に応じるべきだということで、公開させた」とのべ、メモは「見つかった」のではなく、それ以前から存在を知りながら、公表していなかったことを認めました。
中林氏は、改めて武部農水相の辞任を求めました。