2002年4月4日(木)「しんぶん赤旗」
政府は三日、与党緊急事態法制協議会と同安全保障プロジェクトチームに、今国会に提出する有事関連三法案の概要などを説明しました。概要は、地方公共団体や電力・ガス会社などの「指定公共機関」に「指示」したり、それが実施されない場合に政府自身が強制執行するなど首相に事実上の“非常大権”を与えるものになっています。
同日の協議会で八日に政府が法案要綱を提示し、十六日に閣議決定することを確認しました。
この日示されたのは、「武力攻撃事態」への基本方針を示す「包括法」案、安全保障会議設置法改悪案、自衛隊法改悪案の三案の概要と、米軍への法律適用除外に関する文書。
「包括法」案の概要では、「武力攻撃事態」の定義を初めて明記。武力攻撃の「おそれがある場合」や「予測できる事態」も有事立法の発動対象としています。また物資の保管命令に違反した場合、民間人に懲役刑を科すことを明記。「対処基本方針」の国会承認については、その実施前には必要ないとしています。
「包括法」案は、今後整備する個別法案の「目標時期」を明記するとしていますが、この日の協議会では結論がでませんでした。テロ・不審船対策については、「武力攻撃事態以外の緊急事態への対処」として、「必要な施策を講ずる」とするなどとしています。
「武力攻撃事態」 | 日本に対する武力攻撃」と定義。武力攻撃のおそれがある場合、予測される場合も含む |
国会は事後に | 「対処基本方針」の承認、実施前は必要とせず |
責務の明確化 | 国のほか地方自治体、指定公共機関の責務を明記 |
首相に権限 | 「対策本部」を置き、首相が本部長。地方自治体、指定公共機関に指示またはみずから執行 |
罰則規定 | 物資の保管命令違反に懲役・罰金刑。立入検査拒否に罰金刑 |