2002年4月4日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党など参院の野党四会派は三日午後、国対委員長会談を開き、BSE(狂牛病)問題で進退が問われている武部勤農水相の問責決議案を四日に提出する方針を決めました。一方、小泉純一郎首相は同日午後、この問題をめぐって自民党の山崎拓幹事長、青木幹雄参院幹事長と会談。青木氏は、自発的辞任を求める公明党の意向に配慮し、農水相の辞任で決着を図るよう求めました。しかし、首相は「武部農水相には、BSE対策をしっかりやらせたい」と述べ、続投させる考えを表明しました。青木氏も「首相の判断だ」と最終的に受け入れました。
これを受けて、首相は、神崎武法公明党代表、野田毅保守党党首にそれぞれ電話をかけ、「三党が結束して今後も協力してほしい」と要請。神崎氏は「首相がそう判断するならやむを得ない」とこれを受け入れました。
公明党は四日の参院役員会で最終方針を決めますが、白浜一良参院幹事長は記者会見で「連立の枠組みが大事ということは認識している」と語りました。
同党は、採決は欠席する見通しですが、欠席の場合、決議案は否決されます。
日本共産党の志位和夫委員長は三日、国会内で記者会見を行いました。この中で、武部勤農水相の進退問題について問われ、次のように述べました。
一、小泉首相は「(続投に)変わりない」とのべたと報じられているが、ここにいたっても、武部大臣をかばい続けるというのは、許しがたいものだ。
一、武部大臣に問われているのは、過去の責任だけではない。小泉内閣、武部大臣のもとで、昨年の五月にEU(欧州連合)からBSEの発生の危険を警告されていながら、六月にEUに評価の中断を要請し、BSE問題に関する最終報告でも「政策判断の誤り」ときびしく批判されているのは、武部大臣本人のことだ。食の安全という重大問題で、「政策判断」を誤るような人物を、どうして居座らせることが許されるのか。
一、小泉首相の態度は、食の安全と安心という国民の命よりも、自分の政権の延命を優先させるという、最悪の党略的態度だといわなければならない。
わが党は、すみやかな武部大臣の罷免を重ねて強く要求する。
(「公明党の対応についてどう考えるか」の問いに)
一、公明党は武部大臣の辞職を求めているようだが、問責決議案に対する賛否は決めていないようだ。報道によると欠席の話もある。欠席となれば否決されるわけで、辞職といったからには当然、問責決議案に賛成すべきだ。その態度をとらず、中途半端な態度をとるなら結局ポーズだけで、この重大な責任の共犯の立場にみずからおくことになると警告しておきたい。