2002年3月31日(日)「しんぶん赤旗」
三十日に開かれた「リストラ反対、雇用と地域経済を守る全国交流集会」での小林洋二全労連議長の主催者あいさつ、日本共産党の穀田恵二国会対策委員長のあいさつ、熊谷金道全労連副議長の問題提起の要旨を紹介します。
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主催者あいさつをした全労連の小林洋二議長は、「リストラ反対で積極的な役割を果たしてきた五団体の初の共同主催であり画期的な集会となった。リストラの実態と運動を交流し、さらに運動の前進を」とよびかけました。
今日のリストラの特徴について、財界・大企業の労働力流動化や産業再編とむすんだ大規模なものであり、雇用不安をいっそう拡大するものだと指摘。さらに、リストラが政官財一体で純粋持ち株会社という新しい方式ですすめられていること、「合意の強制」という人権破壊の手法でなされていることを告発しました。
これと「どうたたかうか」と提起した小林氏は、職場の矛盾と変化が広がるなかで、リストラ反対を貫くとともに一致点での大同団結、多様な共同と運動によって切実な要求を実現し職場世論の多数を得ていくことを強調しました。
また、リストラを人権問題、社会問題にしてアピールする、不安定雇用の広がりのもとで賃金底上げ、均等待遇の重要性を浮き彫りにする、大企業の社会的責任を問うことなどを指摘。
リストラ闘争は総力戦であることをふまえ国の政治と対決し、「政治の転換」をめざしたたかうことをよびかけました。
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あいさつに立った日本共産党の穀田恵二国会対策委員長は、最初に、党が昨年九月に発表したリストラ反対の国民的反撃の「呼びかけ」の意義を強調。その後の共同のたたかいの発展にみられるように、「リストラやむなし」の声を打ち破るうえで大きな力を発揮したとのべました。
リストラ・人減らし攻撃は、労基法や労働協約を無視したもので、重大な弱点をもっていると指摘。
「職場にルールの確立を」のとりくみの意義を強調するとともに、「国政レベルでのルールの確立」を求めるたたかいを結合させる重要性を強調しました。
党国会議員団はこの立場から、リストラ攻撃の調査をふまえ、政府の行政責任の追及と、必要な「ルールの確立」を求めるたたかいをすすめてきたとのべ、国会での追及と結んで転籍強要をはね返した住友金属和歌山や村田機械などの例を紹介しました。
さらに穀田氏は、リストラ攻撃の最大の問題は「企業の社会的責任」を放棄している点にあると指摘。党の追及に、小泉首相もそれを否定できなかったとのべ、静岡県議会などの地方議会の意見書などもその点を指摘していることを紹介し、今や「企業の社会的責任を果たせ」の声は大義であると強調しました。
鈴木宗男、加藤紘一両氏の疑惑が示した腐り切った自民党政治にも言及。小泉内閣と自民党支持率の急落はリストラ反対闘争にも有利な条件になっているとのべました。
穀田氏は最後に、日本共産党のリストラ反対の「呼びかけ」はこのたたかいを社会進歩のたたかいと位置づけ、二十一世紀をだれもが人間らしく生き働ける世紀にしていこうと呼びかけていると指摘。「これからもそれをめざしたたかい続けましょう」と呼びかけました。
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全国交流集会で、熊谷金道全労連副議長が問題提起をおこないました。
熊谷氏は、今日のリストラ「合理化」の特徴について五点を指摘。(1)これまでにない大規模な人員削減、退職強要の全産業的な拡大(2)賃下げなど徹底した総額人件費削減(3)「純粋持ち株会社」による利潤の最大追求にむけた企業組織再編(4)生産拠点の海外移転の拡大と地域経済の空洞化の深刻化(5)政府のリストラ促進、大企業への加担・協力―にあるとのべました。
このリストラ攻撃は、「国際的に通用しない企業の雇用責任や社会的責任の放棄」であり、また「労働基準法をはじめとした現行法や判例法理、基本的人権をも無視した『ルール破り』」を行っているなど、大きな矛盾、弱点をかかえていると指摘。終身雇用制や年功制の破壊、管理職層を含めた人減らしが「労働組合所属の有無を超えた広範な労働者の団結の条件をこれまでになく拡大」し、工場閉鎖や事業所縮小、下請け切り捨てなどは「地方自治体の保守層を含めた共同の条件を拡大している」とのべました。
リストラ反対、雇用の確保をめざす闘争で決定的に重要なのは、「職場における労働組合の役割」であり、団体交渉権の活用などでリストラの不当性追及と雇用確保などの要求で直接的に経営側を追及することだと強調。とりわけ、リストラ攻撃がすべての労働者を対象としているだけに、雇用形態や職位の違いにかかわらず「すべての労働者を視野」に要求を練り上げ、職場労働者とたたかうことがきわめて重要だとのべました。
この間、解雇や労働条件切り下げを許さず、リストラ計画の見直しを実現、また不法な転籍強要の撤回やサービス残業の是正、広範な団体の共同による地域経済守れの成果を紹介。さらなる運動の発展にむけ、討論のなかで深めようとよびかけました。
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