日本共産党

2002年3月29日(金)「しんぶん赤旗」

女性暴行の米兵実刑

北谷の事件懲役2年8月

「悪質、弁解に終始」

那覇地裁判決


 沖縄県北谷町で昨年六月、二十代の女性が米兵に暴行された事件で、婦女暴行罪に問われた米空軍嘉手納基地所属の二等軍曹ティモシー・ウッドランド被告(25)の判決公判が二十八日、那覇地裁で開かれ、林田宗一裁判長は「女性が受けた精神的、肉体的苦痛は重大。被告は犯行後も女性が同意していたとの弁解に終始し、心情を深く傷つけた」などとして、懲役二年八月(求刑懲役三年)の実刑判決を言い渡しました。

 判決によると、ウッドランド被告は昨年六月二十九日午前二時十五分ごろ、北谷町美浜の駐車場で、車のボンネット上に女性を押さえ付け暴行しました。女性は近くのバーから帰宅途中でした。

 争点となった合意の有無について、林田裁判長は「女性が被害直後から警察に通報しようとし、被告を告訴したことは、合意していないことを推認させる」と判示。

 「女性が泣きながら怒りをあらわにし、動揺のあまり警察と間違えて消防に電話をかけ、被告に対する怒りを激しい口調で示したことを、真意に基づかない態度であると疑うべき合理的理由はない」と指摘しました。

 この上で裁判長は「女性の供述は、関係者らの供述に合致しており、信用性が高い」と結論付け、「被告の行為は暴行以外の何物でもない。犯情は悪質で、刑事責任は重い」と述べました。

被告、薄笑い

 ティモシー・ウッドランド被告(25)は丸刈りで、薄いグレーのスーツに長身を包んで入廷しました。

 判決はウッドランド被告が公判で一貫して主張してきた「合意の上での性行為」を明確に否定。裁判長は「犯行前後の被告の行動は、合意に基づく行為を婦女暴行と誤解された者のものとは言えない」と、同被告の言い分を切り捨てました。

 同被告は日本語での判決理由の朗読が終わった際、「気分が悪いので座らせてほしい」と訴え、証言台の前に着席。その直後、落ち着かない様子で頭をかいたり、体を揺すったりしました。しかし、判決理由の英訳が始まると身じろぎもせずに聞き入り、最後にはうっすらと笑みを浮かべながら、傍聴席を見回し退廷しました。

 


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