2002年3月29日(金)「しんぶん赤旗」
【ローマ28日島田峰隆】レバノンからの報道によると二十七日からベイルートで開かれていたアラブ連盟(二十一カ国・一機構)の首脳会議は二十八日、サウジアラビアのアブドラ皇太子が提案した中東和平案を「ベイルート宣言」として全会一致で採択し閉会しました。これにより、サウジアラビアの和平構想は正式に全アラブの統一和平案となりました。
宣言は(1)イスラエル軍は一九六七年の第三次中東戦争後に占領した地域から全面的に撤退する(2)東エルサレムを首都とするパレスチナ独立国家を樹立する(3)パレスチナ難民の帰還の実現―などと引き換えにアラブ諸国がイスラエルの「安全」を保障し、「正常な関係」を結ぶとしています。
また、宣言は、和平案実施へ向けた国際社会の協力をよびかけています。アラブ連盟は今後、和平案を国連安全保障理事会に提出する意向です。米国もすでにこの和平案への支持を表明しており、国連をはじめとする国際社会の反応が注目されます。
しかし、イスラエルでは二十七日にパレスチナ人による大規模な自爆テロが発生したばかりで、実現への道筋には困難も予測されます。
また、宣言とは別に採択された最終声明は「イラクへのいかなる攻撃も全面的に拒否する」と強調。国連による対イラク制裁の解除を求めています。
首脳会議では、イラクとクウェートの和解をめぐる動きで前進もあり、イラクがクウェートの独立、主権を尊重することが確認されました。
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