日本共産党

2002年3月26日(火)「しんぶん赤旗」

主張

辻元氏秘書問題

“疑惑隠し”許さぬためにも


 週刊誌に報じられた辻元清美社民党衆院議員による政策秘書の「名義貸し」疑惑をめぐって、社民党が調査結果を公表しました。

 同党調査委員会の発表は、給与のうち政策秘書に支払われたのは五万円だけで、辻元議員事務所が残額を受け取っていたとし、政治資金規正法違反を事実上認めています。

 辻元氏は当初、記者会見で「給与は全額本人に渡っていた」「政策秘書からの寄付はない」と説明していました。

 社民党の調査は、これを「重要な誤りがある」としています。

明確な説明と決着を

 政策秘書は「国会議員の政策立案、立法活動を補佐する」という趣旨で設けられました。

 国から政策秘書としての給与を受け取りながら、勤務の実態はなく、「電話によるアドバイス、資料の所在確認をしていた」というだけでは、政策秘書の仕事をしていたことになりません。政策秘書制度の趣旨に反します。

 政策秘書としての実態がない以上、五万円は「名義貸し」の対価といわれても仕方がありません。

 しかも、辻元氏は、給与全額が本人に支払われていたなどと、国民に虚偽の説明をしたのですから、議員辞職は当然です。

 社民党の調査は、「資金管理団体や政治団体への寄付報告を欠いており、政治資金規正法上の処理はされていなかった」とのべています。政治資金規正法違反がここまで明白である以上、政治的道義的責任は免れません。

 辻元氏と社民党が、国民が納得いくよう説明し、自浄能力を発揮してこの問題に適切に決着をつけることは、野党として与党の疑惑をしっかり追及する立場にたつためにも重要なことです。

 それは、自民党などがこの問題を利用して、鈴木宗男、加藤紘一両議員の疑惑にフタをしようとしているだけに、なおさらです。

 辻元氏は、いっさいの事実関係を国民に明らかにし、責任を明確にするべきです。国会の証人喚問でも証言する意思があるとしていますが、当然です。

 そうしてこそ、この問題を、自民党など与党に“疑惑かくし”の口実とさせず、鈴木氏の疑惑など政官財癒着や外交私物化など、次々に噴出する自民党の腐敗政治にメスをいれることができます。

 自民党や公明党は、焦点を辻元氏の問題にすりかえ、加藤、鈴木両氏の証人喚問や鈴木氏らの議員辞職を逃げ切ろうという策動を露骨に強めています。

 北方四島支援事業を食い物にした疑惑にくわえて、外務省内部文書により領土問題という国益にかかわる問題で政府の外交方針をゆがめた疑惑が新たに明らかになりました。鈴木氏疑惑の究明は重大な段階を迎えています。

 内閣官房長官や自民党幹事長など政府・党の中枢を担った加藤氏の疑惑の解明は、公共事業の口利きで巨額の資金を集める政官財癒着の自民党政治の実態にメスを入れるためにも避けられません。

野党の責任をはたせ

 自民党の疑惑を徹底究明し、腐りきった自民党政治を転換することは国民の願いです。

 問題をかかえたままで、自民党など与党につけこまれるようでは、野党の責任も果たせません。

 辻元氏と社民党が一日も早く国民の納得する説明と明快な決着をつけるよう求めます。

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権:日本共産党中央委員会 
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp