2002年3月14日(木)「しんぶん赤旗」
大不況が続くもとでの二〇〇二年春闘は十三日、自動車や電機などの大企業が金属労協(IMF―JC)加盟の労働組合に、いっせいに回答しました。千円のベースアップを要求した自動車、造船重機では、日産自動車の千円を除きトヨタ自動車をはじめ軒なみゼロ回答という異例の結果となりました。賃上げ率が五年連続過去最低を更新することは確実です。
今年三月期決算で一兆円という史上最高の連結経常利益をあげる見通しのトヨタ自動車は、定期昇給分のみの六千五百円で妥結。経営側は「国際競争力の再生」を理由に「賃上げする状況ではない」との姿勢を崩しませんでした。
造船重機は、継続交渉となった住友重機以外はゼロ回答。住友重機は、定昇凍結と年収15%カットを経営側が逆提案し、組合は「定昇実施」を求めています。
雇用維持・確保の努力にむけた要求では、鉄鋼大手五社で労資による「協定」の締結を確認しました。
一時金では、新日鉄が業績連動方式の導入で百十三万円(昨年百三十八万円)に。電機は日立、三菱が四カ月で、昨年実績(五カ月水準)を大きく割り込みます。トヨタは五カ月プラス三十九万円で満額回答、日産は百九十万六千円(五・五カ月)です。
賃上げを事実上拒否した今回の回答は、国民の実収入、可処分所得を四年連続で名目、実質ともに減少させ、日本経済が「デフレの悪循環」に突入しつつある危機的状況をいっそう加速します。
全労連などでつくる国民春闘共闘は十四日、全国でストライキを含むたたかいに立ちあがります。
機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。
著作権:日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp