2002年3月8日(金)「しんぶん赤旗」
自民党の鈴木宗男衆院議員による行政私物化の疑惑が省庁を横断し、底無しの様相をみせるなか、公明党や機関紙・公明新聞が「ムネオ疑惑」にだんまりを決め込んでいます。あれほど「清潔」を売り物にする公明党ですが、支持者や読者に「ムネオ疑惑」を伝えたくない特別の事情でもあるのでしょうか。
二月二十日の衆院予算委員会での鈴木議員の参考人質疑以来、マスコミの注目をあつめている「ムネオ疑惑」について、公明新聞が、その内容を報じたのは三月四日の外務省調査報告を伝えた五日付紙面がはじめて。
それまで、鈴木宗男氏の名前は出しても、疑惑の内容については黙殺してきました。
たとえば、参考人質疑の記事もNGO排除問題だけ。日本共産党の佐々木憲昭議員が外務省内部文書を示し、「ムネオ・ハウス」入札参加資格を「根室管内」に限定するよう圧力をかけた事実を指摘、追及したことはもちろん、その後外務省が文書の存在を認めたことも報じていません。国土交通省が農地整備事業での鈴木議員の介入を内部文書の存在を含め認めたことも黙殺しています。公明新聞をみる限り、「鈴木議員の疑惑」はいっさいわからない仕掛けです。
五日付で報じた外務省報告書の報道も、「それ(報告書)によると、国後島の『友好の家』(通称・ムネオハウス)建設事業と同島桟橋改修工事で、鈴木氏が入札参加資格決定過程に『深く関与した』ことが確認された」などという「客観報道」。鈴木氏が何をいったのか、外務省がどういう工作をしてそれにこたえたのか、具体的なことはこれまた無視しています。
公明新聞が「疑惑」そのものに無関心なのかといえば、決してそうではないようで、鹿野道彦・前民主党副代表の元秘書による口利き疑惑(業際研事件)などは特集(二月二十二日付)を組んでいるほどです。
どうやら隠したいのは、鈴木疑惑だけのようです。
実際、公明党は、参考人質疑後、神崎武法代表がいち早く「外務省問題については一つのヤマを越えた」と発言。その後も、冬柴幹事長が、野党の証人喚問要求を拒否して非公開で偽証罪もない「政治倫理審査会」での弁明を執ように主張し、鈴木隠しをはかってきました。
週刊誌では、鈴木議員から公明党・遠藤和良議員への資金提供の事実も報じられています。
「公明党が与党に入って政治がきれいになった」というのは選挙の時の宣伝文句。それとは、あまりにかけ離れた実態を隠したいというだけでは、説明がつかない、異様な疑惑隠しです。(F)
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