日本共産党

2002年3月6日(水)「しんぶん赤旗」

安川電気

賃金10%カットを提案

パート解雇、労働者追い出したばかり

組合に“黒字の蓄え使え”と300通の意見


 産業用ロボットで知られる安川電機(中山眞社長、本社・北九州市)が全社員の基準内賃金10%カットを提案し、労働者に衝撃を広げています。

 安川電機は、IT(情報技術)不況を理由に一時帰休を実施し、昨年九月にはグループ全体の一割強、一千人を削減するリストラ計画を打ち出していました。この間、二百人のパートの解雇、一月には三百人の労働者を早期退職で追い出したばかりでした。今回の二月四日の提案は「このままでは二年連続の赤字になる」といって賃金カット、一時帰休の拡大で十五億円もの所得を労働者から奪うものです。

 これに対し安川電機労働組合(連合・電機連合加盟)は、春闘の要求決定・提出を一週間後に控えた時期の“賃金引き下げ”提案は例がなく、雇用とともに重視している基本的労働条件にかかわるものと強調。「異常な提案。受け入れることはできない」(組合機関紙)と主張しています。

 安川電機労組に寄せられた組合員の質問や意見は「会社は黒字の時の蓄えを今こそ使うときではないか」「社員の給与カットをする前に、会社がやるべきことがあるのではないか」「会社役員は総辞職する決意をもっているのか」など、約三百通にものぼります。

 日本共産党安川電機支部にも、「10%カットで月三〜四万円、一時帰休で六〜七千円の収入が減る。家のローンもあり、生活設計が立たない」など悲痛な声が相次いで寄せられています。

 日本共産党八幡戸畑遠賀地区委員会や安川電機支部は、緊急にビラを発行し、会社側の賃下げ提案に反撃。「職場から、地域から、地域経済と労働者の生活への社会的責任を果たせの声をあげ、賃金10%カット提案を撤回させよう」とよびかけています。

 ビラは、安川電機が、二〇〇〇年には過去最高の黒字六十億円をあげるとともに、内部留保は三百五十八億円にものぼっていることを紹介。もうけるときは労働者のしりをたたいて働かせ、利益をためこんでいながら、「赤字」がでたら労働者に犠牲を押しつけるのは経営道徳が問われると厳しく批判しています。

 二月末に行った党福岡県委員会・県議団の要請でも、売上高を九七年度以降、同水準(約二千三百億円〜二千七百億円)を維持していることを指摘。会社側は「来年度黒字にするため。いまつぶれるということではない」と認めました。(西部総局・山本弘之記者)

 


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