日本共産党

2002年3月3日(日)「しんぶん赤旗」

「聖教新聞」のあきれた謀略手法


 「共産党は謝れ!!」「3回にわたり悪質な捏造報道」――創価学会機関紙「聖教新聞」(二月二十八日付)が、そんな大見出しで日本共産党と「しんぶん赤旗」を攻撃しています。同紙に長期連載中の学会青年部幹部座談会に登場した反共攻撃ですが、そこには、創価学会=公明党特有の「謀略の手法」が典型的にあらわれています。

 「聖教」紙が攻撃しているのは昨年二月五日付や六月二十九日付の本紙記事。米下院政府改革委員会が発表した報告書をリポートしたものです。同報告書には、対立する日蓮正宗法主のスキャンダル暴きのため、創価学会関係者が違法に米国の犯罪記録を入手しようとしたことや記録改ざんの疑惑が詳細に書かれています。ところが創価学会の手にかかると、この本紙記事がこんな具合に「改ざん」されます――。

 「聖教」紙座談会ではまず、学会と日蓮正宗間で裁判になった「シアトル事件」をとりあげ、正宗側が「卑劣なデマ」を流したと攻撃。そのうえで「このバカバカしいデマを使って、機関紙で大騒ぎした政党がある」として本紙記事を登場させます。

 事柄と時期がまったくすり替えられているのです。「しんぶん赤旗」の記事は、日蓮正宗が一九七五年に公表した情報ではなく、二〇〇〇年十二月発表の米国議会の公文書を伝えたもの。紙面にはその報告書の写真も掲載しています。ところが「聖教」紙は、デマ記事と攻撃しながら、問題の本紙記事ではなく全然別の写真を載せています。本紙記事を掲載すれば「下院委報告で明るみに」の見出しで、すり替えが一目りょう然になってしまうのです。

 同座談会のすり替えはエスカレートします。

 「(赤旗)記事の内容は日顕宗()のデマを鵜呑みにしただけ。自分たちで裏付けを取った形跡も、まったくない」

 その“根拠”としてあげているのは二〇〇〇年の米議会報告ではなく、日蓮正宗との間の裁判記録。学会勝訴となった一審判決が米公文書改ざん疑惑を認定していないから「『赤旗』はウソ八百の紙面だよ」……。

 このように事実のすり替えで小さなウソをつくり、それを積み重ねて大きなウソに仕立て上げる。それは典型的な「謀略」の手法です。

 ちなみに創価学会と日蓮正宗が争っていた「シアトル事件」は、東京高裁の勧告で今年一月三十一日「和解」しました。

 和解条件は、双方ともが同事件の争点にかかる「事実の摘示、意見ないし論評の表明をしない」こと。ところが「聖教」紙は和解後も「日顕宗がまたもや敗訴!!」(二月二十六日)などと同事件と、和解により効果を失った一審判決を持ち出しています。

 こうして、ウソとすり替えの話を繰り返して流し、善良な会員に事実と異なる情報を教え込む。創価学会の謀略や組織防衛部門で活動した経験のある関西の学会員は、こう語っています。

 「深刻なのは、そんな手法が内部では容易に通用することなんです」 (K)


注 日顕宗=創価学会は日蓮正宗のことをそう呼んでいる。

 


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