日本共産党

2002年3月2日(土)「しんぶん赤旗」

1月完全失業率

いぜん高水準の5.3%

若者に目立つあきらめ

失業者数は27万人増加


 総務省が一日発表した労働力調査によると、一月の完全失業率(季節調整値=各月を比較できるよう季節的要因を調整した値)は、過去最悪だった昨年十二月(改定値5・5%)より0・2ポイント低下し、5・3%になりました。男性が0・4ポイント低下し5・4%、女性は前月と同率の5・1%でした。

 低下は昨年二月以来十一カ月ぶりで、小泉首相は同日「減ったということはいいこと」と述べましたが、これは厳しい雇用情勢から職探しを“あきらめた”人が多数でている(非労働力人口が昨年一月に比べ百二十万人増加)ためです。

 同省統計局は「若年層で求職意欲を喪失した人が増えている可能性がある」と分析。厚生労働省も「前月比マイナスとなったものの、高水準横ばいと見たほうが正しい」(沢田陽太郎職業安定局長)としており、「改善」とはいえません。

 一月の完全失業者数は三百四十四万人で、一年前(前年同月)にくらべ二十七万人の増加です。

 総務省は今回の発表から、従来四だった完全失業者の求職理由別内訳区分を六に増やし、「非自発」は「定年等」と「勤め先都合」に、「その他」を「新たに収入が必要」と「その他」に分けました。

 それによると、一月は、「定年等」三十六万人、「勤め先都合」百十万人、従来の「自発」にあたる「自己都合」百七万人、「新たに収入が必要」三十八万人など。昨年十一月以降、非自発が自発を上回っている傾向に変化はありません。年度末を控え、企業のリストラがさらに強まることが懸念されます。

 就業者数は、前年同月比九十三万人減の六千二百六十七万人と十カ月連続の減少。このうち、雇用者は同五十二万人減の五千三百三万人、自営業主・家族従業者は同五十万人減の九百三十八万人で過去最低でした。

 総務省は、過去最悪だった昨年十二月の完全失業率(5・6%)を5・5%と改定しました。これは毎年一月分結果発表時に季節調整値を過去にさかのぼって再計算しているもので、改定後も昨年十二月は過去最悪でした。

 


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