2002年2月25日(月)「しんぶん赤旗」
【ローマ23日島田峰隆】伊北部ミラノ近郊の都市で一九七六年七月、化学工場で爆発が起きダイオキシン汚染が広がった事件(セベソ事件)で、イタリアの最高裁判所は二十二日、直接の身体的傷害がない精神的被害に対しても補償を認める判決を下しました。
セベソ事件では広範囲にわたってダイオキシンが飛散し、家畜の大量死や異常児の出生率上昇、皮膚炎の発症などが相次ぎました。同地域は現在も監視区域とされ、住民は汚染の恐怖にさらされてきました。
住民の一人が、事件を起こしたイクメサ社に対し精神的被害への補償を求めた裁判で、高等裁判所は九五年に四百万リラ(約二十四万円)の賠償を命じましたが、同社は最高裁に不服を申し立てていました。
今回の判決で補償の対象となる住民は一万人程度とみられ、補償を求めてきた弁護士や住民らは判決を歓迎しています。
現地で同問題を扱ってきたボラジ弁護士はマスコミのインタビューで、他の工場で起きる同種の汚染事件にも「価値を持つ判決だ」と意義を強調しました。
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