日本共産党

2002年2月21日(木)「しんぶん赤旗」

小樽で多喜二祭ひらく

没後69年

三浦光世さん講演


 「一九二八年三月十五日」「蟹工船」などで知られる日本の代表的革命作家の小林多喜二(一九〇三〜一九三三年)が特高警察によって虐殺された日から六十九年目の二十日、多喜二ゆかりの北海道小樽市で多喜二祭が行われました(同実行委員会の主催)。

 記念の夕べでは、青年による作品の朗読の後、小説「母」で小林多喜二の母セキさんを描いた三浦綾子さんの夫・光世さんが「三浦綾子と小林多喜二の『母』」と題して講演しました。

 光世さんは、小樽の牧師からの手紙でセキさんのことを知り、「息子を二十九歳で殺された母の苦衷を訴える小説を書いてほしい」と綾子さんに執筆を強く促したことを語り、「多喜二のお母さんを書かせたことは生涯の成功だった」と述べました。

 光世さんは、聖書の「賞賛に値するものに注目せよ」の言葉を引き、「まさに多喜二は賞賛に値した。多喜二の死を深く感じ取って、人間はいかに生きるかと考え、平和をつくりだしたい」と話を結び、聴衆に感銘を与えました。

 主催者あいさつで寺井勝夫・実行委員長は、最近の歴史を逆戻りさせる動きを批判し、幸せな国民と明るい未来を目指した多喜二の遺志を受け継ぐ決意を表明しました。

 これに先立ち、同市奥沢の小林家墓地で墓前祭を行われ、参加者一人ひとりが献花。全員でインターナショナルを合唱しました。

 


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