2002年2月16日(土)「しんぶん赤旗」
政府事業なのに、鈴木宗男自民党議員の影響力で「ムネオ・ハウス」と呼ばれている「友好の家」(国後島)と、「プレハブ仮設診療所」(択捉島)の建設工事二件が公募による一般競争入札とされながら、実際には一事業者しか参加しない、“無競争”入札だったことが十五日までに判明しました。外務省は同日、本紙にこの事実を認めました。
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「ムネオ・ハウス」など鈴木議員の“援助事業私物化”の実態については、佐々木憲昭・日本共産党議員がさる十三日の衆院予算委員会で追及。鈴木議員は事業が「公募型」の一般競争入札でおこなわれたことを根拠に疑惑を否定しましたが、今回、入札実態が判明したことで、ますます疑惑が深まりました。
「友好の家」「仮設診療所」建設工事は、政府の「北方四島」支援事業のひとつ。
「友好の家」(ムネオ・ハウス)は一九九九年に入札され、契約先は渡辺建設(根室市)と犬飼工務店(中標津町)の共同企業体。契約額は約四億一千七百万円。また、択捉島の「仮設診療所」は九七年七月の契約で、契約金額は約八千万円。大和工商リースが落札しています。いずれも競争入札なのに、相手のいない“無競争入札”でした。
この事業は、外務省が現地の「支援要請」を受けて決定するもので、外部が介入しやすいのが特徴です。
入札の公正さをたもつための手続きが一般競争入札ですが、それが無競争なのはきわめて異例の事態です。
佐々木議員の調べによると、「友好の家」を落札した犬飼工務店の社長は鈴木宗男中標津後援会の会計責任者。また、受注の二建設業者は、鈴木議員にあわせて約八百七十万円(一九九五年〜二〇〇〇年、パーティー券ふくむ)を献金していました。
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