日本共産党

2002年2月15日(金)「しんぶん赤旗」

論戦ハイライト

衆院予算委 春名議員質問

小泉内閣のリストラ推進を追及


 雇用状況を悪化させ、景気悪化、地域経済を破壊する大企業のリストラ。これを放置しつづけるのか――。日本共産党の春名なお章議員は十四日の衆院予算委員会で、独自に調査した大企業の大リストラ計画を小泉内閣につきつけ、政府が企業に社会的責任を果たさせるためにリストラ規制の立法措置をとるよう求めました。

55万人リストラ計画政府はなぜ放置するのか

 春名議員 この大企業のリストラを放置しておいて、経済が良くなるのか

 平沼経済産業相(大企業の人員削減は)日本の全体の景気が悪くなった結果ですから、国は景気を活性化するために努力をしていけば、(失業者は)吸収されていく

 大企業は五十五万人ものリストラ計画を立て四月以降、三月までのリストラを上回る三十万人の“首切り”を強行しようとしています。春名氏は、この事実を示し、企業が雇用の責任をまったく果たしていない実態を明らかにしました。

 平沼経産相は、リストラが「デフレ」の要因となっていることを認める一方で、大企業のリストラは景気悪化の結果などと矛盾した答弁。国は景気回復に努力するというだけで、リストラ規制に乗り出す姿勢は示しませんでした。

 春名氏は、小泉首相が「リストラは(企業の)構造改革」と公言し、リストラを放置する無責任な発言(別表)を繰り返し、企業のリストラ“応援団”と化していることを指摘。だから、「大企業が安心して人減らしを強行しているのではないか」と批判しました。そのうえで、大企業のリストラが製造業から政府が「成長分野」などと期待をかけるIT(情報技術)やサービス分野に拡大している事実をあげ、「雇用環境が良くなる根拠がどこにあるのか」と迫りました。

 坂口力厚生労働相は、この質問に直接答えず、「それぞれ企業には企業としての理由があると思う」と大企業を擁護。この事態にいたっても、従来の答弁から一歩も踏みこもうとしませんでした。

雇用守るルール 欧州の経験に学ぶべきだ

 春名 解雇四要件の明確化などの立法措置を検討するべきだ

 坂口厚労相 経営者と働く人たちの意見を聞いて決めないといけない

 春名氏は、欧州各国の取り組みを紹介し、「大企業はただ株主のために利益をあげればよいなどというものではない」と主張しました。

 デンマークの社会省は、企業の社会的責任の順守度をゼロから百までの数字で示すソシアル・インデックスを開発して政府レベルで企業に社会的責任を問う取り組みを進めています。

 春名氏は、「欧州のこうした流れにも学んで日本でも、企業に社会的責任を果たさせるために力をつくすことが必要ではないか」と小泉内閣の姿勢をただしました。

 坂口厚労相は、「安心して働けるルールをつくることが必要」と述べたものの、「(経営者の意見を聞かずに)一方的に(解雇ルールをつくることは)できない」などと答弁。

 春名氏は、厚労相がきちんと解雇を規制すると言わなければ、労働者が安心して働けるはずがないと批判し、「整理解雇四要件の立法化などきちんとしたルールをつくるべきだ」と重ねて求めました。


リストラ放置の小泉語録

7月 完全失業率が5%の大台に乗ったとき
 「構造改革の産みの苦しみだ」
9月 完全失業者数が過去最高の357万人に上ったとき
 「あまり悲観的、自虐的にならず前に進む必要がある」
10月 完全失業率が5.4%の最悪を更新したとき
 「厳しさを増してくるね。しかし、改革は進めていかなければますます失業率は高まる」
11月 中堅ゼネコン青木建設が倒産したとき
 「構造改革が順調に進んでいるあらわれではないか」
12月 完全失業率が過去最悪を更新し5.6%になったとき
 「改革を進めていくうえで痛みをともなう」

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権:日本共産党中央委員会 
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp