日本共産党

2002年2月12日(火)「しんぶん赤旗」

じん臓患者に痛み

小泉流「三方一両損」診療報酬引下げで

治療食を保険外に/透析時間を短縮も


 「三方一両損」といって医療機関にも痛みを求める小泉「医療改革」。医療機関に支払われる診療報酬が四月に改定され、約九百億円も引き下げられます。結局、患者に痛みを押しつけることが腎臓(じんぞう)病の透析の例で明らかになりました。

 改定案では、通院での透析について(1)保険による治療食の廃止(2)透析時間による診療報酬額の段階的設定の廃止(3)検査料の引き下げ、が狙われています。

 透析患者は約二十万人。ほとんどが週二、三回の通院・透析。そのうち八割が一回、四時間以上かけて透析をうけます。透析中、昼食か夕食を医療機関が提供。改定案ではその「透析食」を保険から外します。

 透析食は、療養食の中でも調理がもっとも難しいといわれます。高カロリーである一方、たんぱく質と塩分、水分を制限。食事療法がうまくいかず、血液のカリウム濃度が上がると心停止になる場合も。医療機関は、透析食を例に自宅での調理法など栄養指導もします。

 日本共産党の小池晃参院議員は「厚労省の担当者は『コンビニ弁当でもすむのに、なぜ保険適用する必要があるんですか』といっています。透析食が患者の命を支えていることを無視した暴論だ」と批判します。

 また、改定案では、透析時間を「四時間未満」「四時間以上五時間未満」「五時間以上」とする区分を廃止して、区分ごとの診療報酬額を一つにまとめる考えです。

 これに、全国腎臓病協議会(全腎協)事務局長の小林孟史さんは警戒します。「一つにされる診療報酬額が低ければ、医療機関は諸費用を節減するために、透析時間を短縮するでしょう。透析時間が長いほうが命は延びるといわれます。しかし、今回の改定は逆方向。患者の命を縮めます」

 全腎協では改定に反対して関係方面に働きかけています。

 


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