日本共産党

2002年2月10日(日)「しんぶん赤旗」

大型車タイヤ

ハブごと脱落58件

全メーカーで発生


民間団体が東名で調査

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タイヤ脱落事故があいついで発生している大型トレーラーの三菱製けん引車

 大型車のタイヤが、車輪を車軸に固定する「ハブ」ごと外れる事故が、東名高速道路(全長三百四十七キロメートル)の大井松田―清水間(九十キロメートル)の、五年間(九七〜二〇〇一年)だけで五十八件発生していることが九日までに明らかになりました。これは東名高速道路の同区間で、事故・故障車の救済をする民間団体、全日本高速道路レッカー事業協会・日本ハイウエイセーフティ研究所(加藤正明所長、静岡県沼津市)の調査で判明したもの。これまでハブごとタイヤが脱落している事故件数は、三菱自工が過去十年で三十四件と発表しています。今回の調査結果は、同種事故が予想をこえる規模で起きていることを示しています。

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事故が多発している大型トレーラーのタイヤ

 五十八件の内訳について加藤氏は「市販の台数に比例して、すべてのメーカーの車で起こっている。三菱車製の車が多いわけではない」とのべ、高速道路でのタイヤ脱落事故は「珍しい事故ではない」と強調しました。

 ハブごとの脱落は、小型車も含めると同五年間で六十四件、その他の要因によるものも含めると百八件にものぼります。大きな人身事故はありませんでした。

 先月十日、横浜市で三菱製大型トレーラーのタイヤが脱落し歩行中の主婦を直撃、死亡させた事件が発生していますが、加藤氏は「どの社の車でも同じような事故が起きる可能性が十分にある」と警告しています。

 故障原因は、ハブを車軸に固定しているハブベアリングの締め付けすぎによって、ベアリングが焼けつき、車軸が溶けてちぎれるケースが多いといいます。

 加藤氏は、ハブとのタイヤ脱落が頻発する原因について「ハブは点検項目になっているが、目測やハンマーでたたくだけ。異常は分解しないで外から見ただけでは発見できない」と指摘します。さらに「規制緩和によって大型車の一カ月点検が省かれている。重量規制も緩和されたが、その分メーカーは車軸など重量がかかる部分の強度を高めているのか疑問がある」といいます。

 


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