2002年1月12日(土)「しんぶん赤旗」
内閣官房内閣総務官室は十一日、内閣官房に勤務する経済調査担当官が株投機情報を交換するインターネット上の掲示板にひんぱんに情報を書きこみ、みずから株売買もおこなっていた事実を認めました。これは十一日付の本紙報道を受けて同室が調査し、問題の人物を特定したもの。同室は、インサイダー取引の疑いをふくめて現在この人物を調査中であり、仮に犯罪でなくても処分する方針を明らかにしました。
本紙の調べによると、この人物は、株投機の情報交換をする掲示板に残されていたIPアドレス(コンピューターのいわば“住所番地”)で、官邸コンピューターネットから書きこんでいることが判明。本紙の指摘を受けた内閣官房内閣総務官室がコンピューターの記録を調べて、人物を特定しました。
同室は「犯罪と断定できないので氏名は明らかにできない」としながらも、本人が掲示板への書きこみや株売買を認めたこと、内閣官房の一部局で、経済調査を担当していることを認めました。また、職務上知り得た内閣官房の情報を使って株投機をしていたかどうか、証券取引法違反のインサイダー取引をしていたかどうかなども引き続き調査する、としています。
この人物は、掲示板の常連で、みずから株式市場で「空売り」などの投機行為をひんぱんに繰り返していることを告白。政府や日本銀行の金融政策や個別の株価の動向にかかわる情報まで発信しています。
国民が小泉内閣の政策による「痛み」に苦しんでいるなかで、「大型倒産がいくつか出て世の中が真っ暗なムードになってきたときが(株買いの)チャンス」などと掲示板に書きこみ、投機に走る官僚が内閣官房という中枢部局にいるわけで、内閣の姿勢も問われる問題になってきました。
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