日本共産党

2002年1月11日(金)「しんぶん赤旗」

負けてたまるか リストラの職場で

「自分の意思をしっかり示そう」

NTT 組合の違いこえ運動広がる


 NTTが五十歳以上の労働者五万五千人に対し、賃金ダウンをともなう外注子会社への転籍を選ぶか、NTTに残る代わりに広域転勤に応じる満了型を選ぶか、を迫っています。NTT東日本は十八日、同西日本は三十一日までに、「雇用形態選択通知書」を提出するよう求めています。これにたいし東京の各職場では、「自分で選択し、意思をしっかり示そう」という運動が、組合の違いをこえて広がっています。

 原田浩一朗記者

「残って60歳まで働く」

「子会社の就業規則明示せよ」

 ある職場では、二十数人の労働者全員が五回話し合いました。このなかには、通信労組、NTT労組員もいます。

交流会で情報交換

 「外注会社の将来展望はあるのか」「外注子会社の特別手当(ボーナス)の算定基準は」などの質問が続出し、これらをまとめて会社側に回答を要求。朝のミーティングでもひきつづき質問をしています。そして個人面談ではその場で意思表明する必要はなく、十八日までに出す「雇用形態選択通知書」で決めればいいことを確認。要望があれば随時話し合いを持つことにしています。

 「満了型」を選択したいという労働者は、「いままでどおりの仕事を残せ」と求めています。

 外注子会社への転籍を選択しようとする労働者は、「外注子会社の就業規則など、労働条件を明らかにせよ」と要求しています。

 違う地域にある職場では、職場の労働組合の違いをこえて、情報を交換したり、自分の悩みや迷いを率直にだしあう交流会を、これまで二回開きました。

 「いろんな考えの人がいることがわかって元気が出た」との声とともに、ある労働者は、「『満了型』を選んで、NTTで六十歳まで働く」。別の労働者は、「個人面談で、どう対応したらいいか不安だったけど、その場で意向を答えなくてもいいんですね」と話しました。

 電話交換機などの設備保守のある職場では、大半の労働者が「いまの職場で、いまの条件で働きたい」と思っています。ところが、NTT本体に残るには「どこにでも転勤」「高度なスキルが必要」との説明に、「電話のための機械の保守をずっとやってきた。いまさら営業活動をやれといわれても…」「北海道や東北に転勤しろといわれたら、家族が離ればなれになってしまう」と労働者の気持ちは揺れ動いています。

 一方、外注子会社への転籍(NTTを退職して、再雇用)を選択すると、東京の場合、調整手当を含めて賃金は85%になります。「賃金が15%ダウンすることだけはっきりしていて、子会社の就業規則もはっきりしていない」「これでは、とても選択できない。はっきりせよ」と要求がでています。職場によっては、昨年末に希望退職に数人が応じ、仕事がまわらなくなっています。

 四十年間勤め、「満了型」を選択したいというAさんは、「『満了型』を選ぶ労働者が一定数いれば、NTTはこれまで通りの仕事を保障せざるをえなくなる」といいます。職場に残りたいという労働者に、「いっしょに残ろう。転勤を迫られた場合には本人同意を得ておこなえと運動しよう」と訴えています。

 


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