日本共産党

2002年1月4日(金)「しんぶん赤旗」

負けてたまるか リストラの職場で

京都・村田機械 ひどい退職・転籍強要

みんなでやめさせよう

きょう労働局に申入れ


 「みんなで退職・転籍強要をやめさせてほしいといおう」―。繊維機械・OA機器メーカーの村田機械(村田純一社長、本社・京都市伏見区)の労働者が四日、京都労働局に退職強要の是正を求めて申し入れます。(名越 正治記者)

 昨年十月、村田機械は突然リストラ計画を発表し、執ような退職を迫っています。

 労働者の訴えに、昨年末、厚生労働省の担当者が「個別労使紛争の申し入れがあれば、国の機関で各都道府県にある労働局が受理し、調査、指導、助言、あっせんする制度になっている」「組合員であろうがなかろうが、一人でも複数の申し出でも、一件一件の紛争として受けつける」とのべました。

 これをうけて、日本共産党村田機械支部は村田機械労働組合(連合・JAM加盟)に要請。労働者に「みんなで労働局に申し出よう」とよびかけています。

 「“退職に応じるまで毎日来るからな”とすごまれた」「“覚悟はできとるやろな。機械も仕事もなくす”と脅された」「“退職か転籍が嫌ならタイムカードを押して座っとけ。仕事は草刈りの草がはえたら連絡する”と。ひどい仕打ちをされている」……。労働局への申し入れでは、こうした退職強要や人権侵害の数々を告発し、企業の社会的責任を追及する世論と運動を広げていこうとしています。


一度は退職願に判を押したが

こんな格好で辞められない

退職・転籍白紙に戻させた


 暮れも押し詰まった十二月二十七日、国会の議員会館。穀田恵二党国会対策委員長が同席のもとで村田機械党支部の代表と五十代の労働者Eさんが厚生労働省の担当者に訴えました。

呼び出し5回

 Eさんは、希望退職募集の締め切り十一月三十日までに五回も呼び出されました。

 一回目。上司は開口一番、「君が稼ぐ職場はなくなる。気まずい思いをするより希望退職がええんと違うか」といい放ちました。「最初から、やめろという話か」とEさんは憤ります。

 二回目は、「辞めません」と断りましたが、「人材あっせん会社にいってくれ」という半ば業務命令に押され、大手リストラ支援コンサルタント会社に出向きました。

 三回目。言葉が居丈高になってきました。「退職する気はありません」と断っても、「君の方はそれでいいが、こっちはそれではすまんのだ」。

 四、五回目は、面談の相手が部長に交代。面談時間は、当初の「一人十分」から、三十分前後にも及びました。

 十一月末、希望退職の募集期間が終わったら、今度は「もう転籍しかないぞ」と脅されました。

 極度のプレッシャーで眠れない日々が続きました。新しい労働条件は、口頭でしか伝えられませんでしたが、頭がボーッとし、Eさんはとうとう会社のいうがままに退職願に判を押してしまいました。

 Eさんの話をメモにとりながら、厚労省の担当者が、個別労働紛争の申し入れがあれば労働局は受理するとの回答をしたのです。

上司から連絡

 「“お前はいらない人間だ”とばかりに退職を迫り続けられた悔しさがこみあげてきた。こんな格好で会社を辞めさせられたら、たまらない」。Eさんは厚労省要請の前日の二十六日に、いったんだした退職願を撤回したいと会社に通知。二十八日、Eさんに、上司が「転籍は白紙に戻す」と連絡してきました。

 転籍撤回の知らせに、労働者たちは「やったあ」とわき立ちました。

 しかし、会社側はあくまでも「今後の転勤や配転については当人の要望は聞かない。一月七日に本社が決める」との態度をとり続けています。

 党支部は、リストラ・人権侵害問題の懇談会を開催。日本共産党が追及した国会論戦の到達点をふまえ、「退職強要をはねかえす十カ条」をさらに発展させた「ルールにもとづいて堂々と―私はこの会社に残ります。この一言があなたと家族の生活をまもるたしかな力です」など、四つの対応策(別項)を職場新聞「シャトル」で示し、「四十五歳以上の出向者の一括転籍をやめさせよう」と訴えています。


退職・転籍強要やめさせる四つの対応策

(職場新聞「シャトル」から)

 一、ルールにもとづいて堂々と

 「私はこの会社に残ります」―この一言があなたと家族の生活を守るたしかな力です。

 転籍(移籍)とは、いまの会社を解雇されることですから、法律は「本人の同意」を厳格に決めています。これが社会のルールです。

 二、「イエローカード」で警告を

 それでも会社は、「同意」を迫ってくるでしょう。

 その時は、「これ以上の説得や面談はやめてください」ときっぱり。

 三、「レッドカード」をだしましょう

 この“警告”を無視して、「『同意』するまで面談をやる」「応じなければ職場はない」などと迫れば違法です。

 「労働基準監督署か弁護士に相談します」とレッドカードをだしましょう。限度を超えた退職勧奨は違法。

 四、労働基準法は「不利益扱い」を禁止。一人で悩まず、みんなで相談を

 そうはいっても、「後でどうなるかが心配だ」と悩んでいる方も多いでしょう。そんな時のために、労働基準法には「労働者を守るルール」があります。悩んでいるのはみんな同じです。職場の仲間と相談しましょう。「三人寄ればもんじゅの知恵」、知恵も勇気も出てきます。日本共産党も応援します。


 メモ:昨年十月に突然発表された村田機械のリストラ計画は、三十三歳から五十八歳までの二千二百人を対象に個人面談を実施し、三百人の希望退職を募集(応募したのは三百九十九人)する、子会社に出向している四十五歳以上は全員一括して転籍するという大規模なものです。

 


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